下呂市から来院されました。
訴えられる症状
横に寝ている状態から起き上がり動作がやりにくい、歩く歩幅がヨチヨチ歩き、足がだるい、を訴えられます。
内科を受診されていますが、現在経過観察だそうです。
パーキンソン病
パーキンソン病は、脳の情報伝達を担うドーパミンを産出する神経細胞が減り、震えや運動機能低下などの症状のほか、意欲の低下、幻覚などが起きることもあります。
厚生労働省の指定難病になっています。
主に50歳以上で発症し、高齢になるほどなりやすいです。
ドーパミンを補充する薬物療法が中心ですが、病気が進行すると効きにくくなります。
根本的な治療法は見つかっていません。
世界標準のメルクマニュアルには
パーキンソン病 – 09. 脳、脊髄、末梢神経の病気 – MSDマニュアル家庭版
パーキンソン病 – 07. 神経疾患 – MSDマニュアル プロフェッショナル版
パーキンソン病の診断は難しい
パーキンソン病とパーキンソン症候群の違いがあります。
パーキンソン症状が有り薬が良く効きMRIやCTなどで異常がない場合はパーキンソン病だと考えられます。
薬が余り効かず画像検査でも脳の萎縮などの異常が有る場合がパーキンソン症候群ということになります。
特定疾患制度の変更により難病指定が受けられる可能性があるので、神経内科専門医を受診されるのをお勧めします。
引用:パーキンソン病とパーキンソン症候群について – 伊月病院
パーキンソン病に見られる主な運動症状
- 手足がふるえる(振戦)
- 動きが遅くなる(無動)
- 筋肉が硬くなる(固縮)
- 体のバランスが悪くなる(姿勢反射障害)
があります。
今回の患者さんは、無動、姿勢反射障害が認められました。
顔の表情も仮面様顔貌(表情が無い状態)です。
治療は
私の経験では、鍼治療は効果があまり出ません。
長田式無血刺絡療法(チクチク療法)と、高濃度人工水素水浴、村坂ゴムバンド足指強化法を行います。
長田式無血刺絡療法(チクチク療法)は、脳神経外科医の長田裕先生が開発された治療法です。
高濃度人工水素水浴は、悪玉活性酸素を除去します。
村坂ゴムバンド足指強化法は、やることにより踏ん張りが出て歩きやすくなります。健康な足腰は足指からです。
再来院にて
1度の治療で、大幅に改善しました。
歩幅も殆ど正常になり、臥床(横に寝ている状態)からの起き上がり動作も正常に近くなりました。
表情も極めて普通に近づいています。
今後は、2週間に1度の治療で「安定的治癒状態」を維持できると考えます。
患者さんに取っては、日常生活を普段通り過ごせるのが一番の幸せと思います。