首の後ろ側(襟足=えりあし)にできた乾癬で悩まれています。他の部位には発症していません。幸いです。
大きさは横65㎜✕縦75㎜です。
20歳過ぎから乾癬ができて、かれこれ30年位になるそうです。
数々の皮膚科を受診しましたが、お薬が強くなると一瞬良くなるのですが、再び元に戻るの繰り返しでした。
最後は免疫抑制剤を提案されましたが副作用もあるとのことで、怖くて断り、以後改善はあきらめたそうです。
病態
世界基準のメルクマニュアル(Merck Manuals)の解説です。アメリカとカナダ以外ではMSDマニュアルとして各国に提供されています。
乾癬(かんせん)は、1つまたは複数の盛り上がった赤い斑(はん、まだら)が生じる、再発を繰り返す慢性の病気で、それらの斑は銀白色の鱗屑(りんせつ=うろこ状のくず)を伴い、正常な皮膚との境界ははっきりしています。 免疫系の問題が関わっている可能性があり、遺伝的に乾癬を生じやすい人もいます。 特徴的な鱗屑または赤い斑が全身のあらゆる部分に様々な大きさで生じますが、特に肘、膝、頭皮によくみられます。
乾癬 – 17. 皮膚の病気 – MSDマニュアル家庭版
この疾患は治らない患者さんが大変多く、免疫異常が根底にあるとされ、ストレスや生活環境で悪くなるとされています。
手のひらや足の平にできる掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)もこれらの仲間です。
施術
東洋医学で、全身(気、血、水=津液)を整えます。針灸と刺絡療法を行います。
患者さんは「漢方の肝」が悪くなっていました。本人が自覚しなくても肌をコントロールする「脾」「三焦」の不調はあるものとして取り組みます。
都合、10回行い、かゆみも減り、乾癬の大きさは半減しました。キレイな皮膚が蘇りかけました。
患者さんは大変喜ばれています。女性ですからひとしおです。
毎回思いますが、これだけ改善するなら写真を撮影すれば良かったと。
そう思うのは施術者のワガママで、患者さんのスマホには当初からの変化を写メで保存してありますから、本人さんが確認できれば、それで良しです。
スマホでもハッキリとした変化が見られるので、途中からは毎回楽しみになって来たようです。
後々は、色や凸凹を正確に撮影できる機材は欲しいですが、他の診察方法の舌診でも写真では再現できない生々しさとかあるので難しいです。