遠方からの来院ありがとうございます。神奈川県からお越し下さいました。
2回行う治療日程です。
経過
右手に過度の負担がかかっている
30代に、原因不明の右手のしびれと冷感で、1軒目の整形外科で関節リウマチ、2軒目の整形外科で末梢神経障害、と診断され治療を受けるも変化しなかったそうです。
当時住んで居た場所の、鍼灸の先生の治療で治ったそうです。原因は斜角筋症候群でした。
同じ年代の頃、右手の使いすぎで、テニス肘(上腕骨外側上顆炎)を起こしています。
母指CM関節症は数年前から徐々に痛くなり、今年に入ってますます痛くなってきました。
整形外科では単なる使いすぎとの診断で、他院で電気とマッサージを受けるが変化無く、一旦あきらめました。
今年6月に手の外科を受診し、先生曰く「注射も電気も効きません、治りませんから装具だけになります」と言われたそうです。
この先生は、正しい診断をされています。
医科ではやりようが無いのが現状です。
治らないとの診断にショックを受けて、なんとか改善したい強い思いで来院されました。
このような経過ですと、元々右手に障害が出やすいタイプと言えます。
今でも肩こりがひどくなると、鍼灸治療を受けられています。
状態
手の外科で、母指CM関節症のグレード診断はステージ2と言われたそうです。(関節裂隙の軽度狭小化、2mm以下の骨片)
外見上の亜脱臼もあるのでCooney分類ではステージ3です。
手の前前腕筋の異常緊張を認めます。指も大変固いです。これでは、指の関節が壊れます。
患者さんは、若い頃から脱力するのが苦手だったそうです。
1回目の治療
母指CM関節症と五十肩
当院開発の母指CM関節症の治療を行います。
治療内容や治療法は下記リンクをご覧下さい。
仙腸関節と脊柱の解剖運動学矯正法だけでも、母指CM関節の状態が変化し痛みが減ります。
五十肩もありましたので、一緒に治します。これは股関節の動きと連動しています。
この患者さんは同側の股関節の動きに引っかかりがあります。同側の場合と対側の場合があります。何事も決めつけはダメです。
五十肩を改善するには上部胸椎の柔軟性が必要なので、フォームローラーストレッチ法を学んで頂きました。
その場で痛みが取れて、開排運動も正常になりました。股関節のFadirf・Fabere(Patrick)テストも90%正常になりました。
残りの10%は腸腰筋の異常緊張が由来ですが、継続来院が不可能なので、ご自宅で自彊術(じきょうじゅつ)をやって頂きます。
第29動の「あおむけに寝て両ひざを折り、ひざで床を打つ」動作です。これが腸腰筋の緊張を取るリハビリになります。
自彊術は短時間(10-15分)で場所も取らないし(一畳分の広さ)高齢化社会にはお勧めです。
人との比較や優劣はありませんから、動きはご自身のできる範囲で良いです。
ヨガは最初のとっかかりは良いんですが、結局、最後は体を壊すので私はお勧めしません。
そう伝えましたら、患者さんが「自彊術は昔やってたけど止めたんです、本棚から昔の本を引っぱり出してきます」と、全部繫がっていると感心されました。
村坂ストレッチ法も学んで頂きました。前前腕筋が本当に固いです。
翌朝
一泊されました。
お宿で、少しお酒を飲まれたそうですが、何時もなら酔わない量で凄く酔ったそうです。これは全身の血流が良くなった証左です。
五十肩も、大幅な血流改善により痛みリバウンドが出て少しうずいています。
2回目の治療
亜脱臼状態の改善
2回目の診察の時に手を拝見しましたら、外見上の亜脱臼状態が大幅に良くなっています。
患者さんは大変喜ばれました。痛みも減っています。
外反母趾の治療
外反母趾もあるとの事で、村坂ゴムバンド足指強化法を学んで頂きます。
指の重なりはありませんが、足の母指と示指が引っ付いています。変形も悪い方が20度くらいです。
足指テストをすると外反母趾は左が強く、両方の小指が動きません。患者さんは驚かれますが、しっかり認識することが治す秘訣です。
第4指の運動時には下腿筋が引きつります。何十年も使ってこなかったせいです。
趣味で社交ダンスをされていて、後、足指が痛くなるので困っていたそうです。
50歳過ぎから、ヒールの高い靴も履かないのに外反母趾になってきたと言われます。
平坦な道を歩いていてもつまずきやすくなり、友人に足が上がっていないのではと言われたので、足を上げて歩いてもつまずきやすいので何でだろうと思っていたそうです。
これは開張足と言って、足の母趾内転筋が弱くなると出る症状で、誰でもその傾向があります。
これを改善するには、村坂ゴムバンド足指強化法しかありません。
結果
健康こそ、人生の宝や財産です。物やお金ではありません。
母指CM関節症、外反母趾、五十肩の自己リハビリを学んで頂きましたので、これからは豊かな老後になります。
母指CM関節症は1ヶ月もすれば痛みも亜脱臼状態も大幅に改善されます。
外反母趾も1ヶ月以内に変化が出て、数年経てば、同年代と比較したら歩く姿に歴然と差が出ることでしょう。
ゼラチンの摂取は関節への栄養になりますから必須です。
安いしこんな素晴らしいものはありません。
患者さんは、「これから毎日やることがたくさんあって大変です」と言いながらも、うれしそうに帰って行かれました。