この患者さんの坐骨神経痛は、以前から治療していて順調な経過だったのですが、庭の雪囲いをされたら症状が悪化され来院されました。
仙骨の微細な動き
これほどの高齢者になると、関節の副運動の動きもほとんどなくなり、通常は鍼灸治療の適応になります。
解剖学矯正法は、仙腸関節の副運動の可動性を出すことが一番大切なのですが、実はそれだけでは不十分で、仙骨自体の動きを出すことが必要になります。
ところが仙骨も立体的に動くので、経験を積まないと動き自体も分からないので、習得はたいへん難しいと考えます。
患者さんに、当院独自の解剖運動学に基づく矯正法を行いました。
湿布より使い捨てカイロ
治療後、反応が良く症状も軽くなりました。
来院される前に、痛み止めの湿布を多数貼っておられ、皮膚が荒れ放題でした。
湿布の効果を感じられないと言われ、湿布は飲み薬に比べ1/10程度の薬効なので、安全といえば安全ですが効果は微々たるものになると思われます。
それなら飲み薬ならになりますが、これは腎臓への負担がかかるので高齢者はどうなのかという問題もあります。
皮膚が出血して荒れていたので、湿布を止めて使い捨てカイロで温める方法を教えさせて頂きました。
ツボとして外せない場所はあるので、そこへ張ることにより、患者さんは当日から夜中に目が覚めることはなくなり楽になったそうです。
神経痛に寒さは大敵
飛騨地方も含めて冬期間は、使い捨てカイを持続的なお灸という考えで貼ると、より一層効果を出すことが可能です。
雪の降らない都会は風が強いので、それで体を冷やしますから要注意です。