結果を出す手技療法のパイオニア

先天性股関節脱臼 子育て中の40代女性 手術をしない方法で痛みをコントロールしたい

高山市の患者さんです。

児童と未就学のお子さんを抱え、おいそれと手術するわけにもいかず、探し求めて来院されました。

要約

当院で行う女性の先天性股関節脱臼に対する、非外科的治療法の施術の一症例です。

施術は以下の療法を選択します。

  • 矯正法マニュピュレーションにて骨盤の遊びを改善
  • 鍼灸療法にて筋肉の癒着や筋膜の滑りを改善
  • 加圧リハビリ®にて下肢の筋反射や筋力を向上

治療効果は高く、手術が必要な場合でも、この施術を受けた患者さんは経過が良好です。

患者さんが子育て中のため、通院頻度は厳しいものがあり、来院時の痛みの状態を判断し施術法を調整することになります。

この治療法は股関節に障害のある女性にとって、最良の選択肢であると考え提供しています。

今までの経過

以前より違和感を感じられていました。

昨年より、股関節の痛み、日常も痛く、夜間痛も強く、寝返りをすると痛みで目が覚めてぐっすり寝られません。

整形外科に行かれました。

検査の結果、先天性股関節脱臼からの痛みということで、痛み止めやしびれ止めが処方されています。

服用されてもあまり変わらなく治療を終了されて来られました。

痛いのがイヤで怖いので、痛くない治療をお願いしますとのリクエストです(笑)

ガッテン承知の助です!

初検

下肢の挙上テスト(SLRテスト)、Fabere(ファベレ)テスト、Fadirf(ファダーフ)テストなどを行います。

検査の結果、股関節の動きに異常がありました。

脊椎や骨盤の矯正

初回は、骨盤である仙腸関節や腰仙関節の矯正を行います。

当院の脊椎矯正は、カイロプラクティックを研究した上に開発したもので、ボキボキすることはありません。

患者さんは安心されました。

ズレと言われるサブラクセーション(subluxation)よりも、関節面や関節自体の固定化、癒着化すなわちフィクセーション(fixation)が、痛みやしびれの症状の原因になります。

仙腸関節の引っかかりが強くあり、腰仙関節の動きも悪く、その動きを回復させる矯正を行い、股関節の動きを検査したら、関節がスーッと動いて患者さんが目を白黒させています。

動きがスムースに回復して、痛みがほぼなくなったのです。

このような、女性独特の股関節疾患における、当院の施術で動きが回復するのは日常風景ですが、患者さんはびっくりされます。

ところが、骨盤周りの関節の動き、骨の状態を治しても、今度は筋肉の状態が絡んでくるわけです。

人間は、筋肉と骨の両輪で動いてますので、どちらも良くしないとダメなワケなのです。

足関節

股関節が悪い人は足関節も悪い場合が多く、患者さんも悪いのが判明しました。

それに対する施術を行い、歩行して貰いましたらびっくり、スタスタ歩けるようになりました。

治療法は当院独自の方法です。

再検

関節面を良くしたら、今度は筋肉を改善します。

当院でも行う、ナイフ状の道具で行う筋膜リリースもありますが、深い場所の癒着が取れませんので、今回の病状には不適となります。

鍼灸

それを良くする即効性があるのは、中国や日本古来からの鍼灸であり、鍼を使うわけです。

これで筋膜の癒着、筋膜の滑走不全、要は筋肉同士の滑りを改善させます。

先ほどは関節同士の滑りを良くしたわけですが、今度は筋肉同士のすき間の滑りを良くするわけです。

それを2回目に行ったわけですが、術後、大変良い状態になりました。

股関節周辺へは、4寸(長さ100ミリ)の使用が必要になります。

深臀筋(大臀筋深層部)である、双子筋、腸骨筋、梨状筋、大腿方形筋を狙い筋緊張を取ります。

ちょっと我慢してねーと言いつつ刺すわけですが、少し痛かったそうです。まあ手術するよりは楽です。

加圧リハビリ®

3回目は加圧リハビリ®を行います。

長年、股関節を引きずって歩いてますので、健側に比べて足がむくんで腫れています。これは筋肉量が少ないための状態です。

筋肉自体の反射や筋肉量を強化する必要があるので、加圧リハビリ®を行うわけです。

ここ大事です。試験に出ますよー、

いくら素晴らしい治療をしてもベースとなる筋力が回復しないと、根本的な改善は望めません。

これが現在考えられる最善で最速に改善する施術です。実際、結果も数々出ております。

通院間隔

問題になるのが通院間隔となります。

今回の患者さんは子育て中なので、なかなか都合がつかないので、来院できるタイミングでの施術となるのですが、その時点での痛みなどを鑑みて、治療法の選択をするわけです。

頻繁に来院できる患者さんでしたら、加圧リハビリ®を基本として、仙腸関節や腰仙関節の骨盤の動きの矯正や、筋肉や筋膜の状態を良くするための鍼灸を織り交ぜていくわけです。

これをやっていくことによって、先天性股関節脱臼を手術せずに生活することが可能になると思います。

未来は未定ですが

万が一、関節の状態が急激に悪化し手術の選択をする場合でも、それまで行った施術の結果、手術後の経過が他の患者さんよりもすごく良い症例を経験しています。

それを踏まえて、どちらにせよ女性の股関節疾患の患者さんは、当院の治療を受けることがベストの選択だと自負しています。

この記事を書いた人

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村坂 克之

小又接骨院・鍼灸院の院長です。柔道整復師、鍼灸師の国家資格にて施術を行っています。屋号の小又(こまた)は、先祖の小谷屋亦治郎(亦=又)に由来します。親指シフトユーザー。
詳しくは院長略歴をご覧下さい。