遠方からの来院ありがとうございます。東京都から来院されました。
2日に渡り治療を行います。
来院までの状態
- 7.8年前から、ベーカー嚢胞が出できた。
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近医の整形外科を受診したが、膝裏は動脈か近いので穿刺排液はできないとの診断。以後、放置していた。
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今年の夏から余計に腫れてきたので、当院受診を考える。
初検の状態
左膝裏に6×6㎝のベーカー嚢胞を認めます。
フーシェ徴候も陽性です。
Foucher’s sign: The cyst becomes hard with knee extension and soft with knee flexion;
フーシェの徴候:嚢胞は膝伸展位では硬く、膝屈曲位では柔らかくなります。
左下腿全体が腫れています。患者さんは、ベーカー嚢胞が腫れると下腿も腫れるとの事です。
膝を曲げることにより、ベーカー嚢胞が脈管系に影響していると推察されます。
正座は可能です。
治療内容
当院のベーカー嚢胞に対する治療を行います。
足指も親指は強かったのですが、2-4指が弱かったです。村坂ゴムバンド足指強化法を学んで頂きます。
結果
初回の治療で、嚢胞は80%消退しました。患者さんが触った状態もほぼ消失した感じです。
2日目、午前来院時の状態はは、再び戻っていました。
同じ治療にて、嚢胞は80%消退しました。
逆止弁(隔壁)の交通はある模様
このような状態は、逆止弁は塞がっていなく、前部関節包との交通があるようです。
下肢筋力向上と、足指の強化を行って頂ければ、嚢胞も悪化せず小さくなると考えます。
今後の筋力低下を危惧され加圧トレーニングを希望されましたので、東京都の加圧トレーニングを行っている先生を紹介しました。
ベーカー嚢胞(嚢腫)は様々
患者さんにより状態が様々です。
逆止弁(隔壁)が固かったり、嚢胞が一つでは無くいくつもある場合(多房性)は、当院の治療では反応しづらいと考えます。
実際、治療しないと分からないのが実情です。