高山市の患者さんです。ご家族の紹介で来院されました。
膝蓋骨(膝の皿)の骨折の後遺症です。
来院まで
転倒し膝を強打し裂傷と膝蓋骨(膝の皿)を骨折しました。手術となり、2本の固定ピンとワイヤーの固定となりました。この術式は定番です。
1年後、本年春に抜釘を行いました。通常は数ヶ月で抜釘なので遷延治癒(骨が引っ付くのが遅い)だったと思います。
骨折の治療は終了しました。
しかし、歩行に自信がなく、ふらつき、歩行時に足が出なく倒れるような感覚になるとのことです。
腰痛も自訴されます。
初検の状態
膝蓋骨骨折側の太ももの筋肉が痩せてしまっています。これではまともに歩くのは厳しいです。
簡単に言うと、片足だけおばあちゃんになっています。
聞きましたら、膝蓋骨固定中も痛みがずっとあり辛かったそうです。そのため足を使わなくなってたようです。
骨折側のふくらはぎ下腿部はむくみがあり、アキレス腱の柔軟性もありません。びっこ(跛行)していた証拠です。
腰も二十歳前に急性の腰椎椎間板ヘルニアにて手術をしておられ、慢性の腰痛症もあります。
人生も長いので、満身創痍ではダメですから、しっかり治します。
治療
腰は骨盤、仙腸関節ストレステストで陽性でしたので、解剖運動学に基づく矯正法マニピュレーションを行います。キレイに改善しました。
足は、加圧リハビリ®を行い継続することにより筋力や筋反射スピードが正常となり、動作の不安は解消されます。
このような膝の障害の場合は、股関節と足首の柔軟性を出すことも重要です。
治療期間は3ヶ月から半年程度必要と思いますが、治ることが分かったので患者さんは安心されました。
2回目の来院時には、足さばきや足が軽くなったそうです。
筋力自体、70.80%改善すれば左右差を感じにくくなります。(筋量ではありません)
昨今、電気で筋力を回復しようと色々な商品が出ていますが難しいと思います。やらないよりはましですが…
加圧リハビリ®の効果
加圧トレーニング®は筋肉を付けることだけが話題になっていますが、加圧リハビリ®では先ず血管の柔軟性を回復させます。
今までのどの治療でも実現しなかったことを実現した凄いことで、血管の柔軟性が回復すると色々な症状が改善します。
KAATSU®機器で発生させる四肢の充血(blood pooling)は、一酸化窒素(NO)、ヒト成長ホルモン、インスリン成長因子-1(IGF-1)、ベータエンドルフィン(内因性オピオイド)の分泌など、いくつかの自然に発生する生化学反応を促進します。
これらはすべて、血液供給の増加、組織損傷の防止、体組成と筋肉成長の調節において異なる役割を果たし、骨や組織を成長させ、痛みを抑えます。
出典:米国CNNヘルス
Blood flow restriction training: What it is and how to practice – CNN