患者さん自身戸惑われますが、ストレートネックは診断名ではありません。
A ストレートネックとの診断ですが、これは病名ではなく、首の姿勢につけられた形態名で、首の骨(頚椎)の並び方が、直線状になっていることを指します。
首のX線検査で、通常は、前方(のど側)に出っ張る形に湾曲していますので、直線状態は、異常か正常か意見が分かれているのが現状です。
世界基準のメルクマニュアルには
首の痛み – 08. 骨、関節、筋肉の病気 – MSDマニュアル家庭版
解説
ストレートネックは診断名ではありません。態様を表す言葉です。それ自体あっても問題ありません。
海外ではストレートネックという表現は無くて、military neck(ミリタリーネック=軍人首)が標準の表現です。
医学的には Cervical Kyphosis(頚椎後弯症)と言います。
何故なるのか
ストレートネックはスマホのやり過ぎで発症する場合が多いと言われています。
これはスマホのやり過ぎでも発症しない人が大部分だと考えると、単なるtrigger(引き金)ではないかと思います。
元々首が弱いタイプと考えるのが適切だと思います。過度な作業などが重なれば、それなりにご自身での管理は必要になります。
画像診断でストレートネックの診断を受けたために、そういう刷り込みがあるのも事実です。
患者さんは頸部の痛みをストレートネックを関連付けて、自分で治らなくしているという状態でした。
治療
治療は解剖運動学矯正を、頸椎と胸椎に行い症状は半減しました。椎間関節を動かせる技術者は少ないのが実情です。患者さんは、前月に腰痛で来院されて骨盤の仙腸関節の機能異常は治療で修正済みです。
もし初診の場合は、例え症状が出ていなくても仙腸関節の解剖運動学矯正法は必要になります。この点が見落とされやすい点です。
頚椎のストレートの態様は関係無く、椎間関節の機能が正常は働けば問題ありません。
ストレートネックが存在する人は、脊柱自体のS字カーブも少ない人が多く、腰痛や背部痛を引き起こしやすいのも事実です。
脊柱の曲がりもタイプです
太ってる、痩せてる、標準体形があるように、背骨の形もそれぞれタイプがあります。それを早計に異常だと言うのは本当に罪なことだと思います。
画像診断を受けると治らないものだと諦めている患者さんも多く、ストレートネックと反対に頚椎の前弯が強くなるタイプもあります。丁度、正常だと言う人は意外に少ないです。
このような体質や体格と思ってもらえば 問題なく 日常生活に何ら支障が出ることはありません。
しかし、一旦痛めると正常の頚椎カーブがない方は治りにくいのは事実でもあります。
そこは上手に付き合っていくことが大事なんではないでしょうか。
ストレートネックの自己リハビリ
それを正常方向への持って行くには、フォームローラーを使った日頃の自己リハビリが大切だと思っています。
表紙引用:(423) Pinterest