遠方からの来院ありがとうございます。千葉県からお越し下さいました。
2日間に渡る治療です。
JRを利用され、お嬢さんとご一緒に、北陸新幹線で富山経由で来院されました。
来院までの状態
去年の10月に転倒し手を突いて右橈骨遠位端骨折(コーレス骨折)になり、ギプス固定を4週間行いました。
骨折自体は綺麗に治ったのですが、その後親指が痛くなり同じ整形外科を受診したところ母指 CM 関節症との診断だったそうです。
患者さんは、元々左利きで自然と左手を使って便のフタを開けたりしていたので発見が遅れたようです。
初検の状態
右手の母指 CM 関節症です。グレード2相当です。左手も母指CM関節症ですが痛みは出ていません。
母指CM関節の凸の変形があります。
変形は親指全体の変形で Z 型変形になっています。
関連痛の元である股関節の機能異常はありません。
親指の変形は
右手は親指の全体の変形があります認められます。
簡単に言いますと、痛みを防御するために母指球筋が常に緊張しており、そのおかげで親指の変形を誘発しています。
まだ軽微な段階なので、この時点での治療を開始すれば親指全体の変形もなくなり CM 関節症の痛みも消失するものと思われます。
コーレス骨折がケガの功名となり早期発見につながりました。
母指は掌側外転、外転ができません。
治療
治療は二日間に渡って行います。
当院規定の母指 CM 関節症の治療を行います。
順調に治療は全て終わり、治療後は手の動きがすごく楽になり、雑巾を絞る動作も痛みが消失しています。
2日目の治療では、親指が開くのを確認して頂き大変喜ばれました。
今後は、自己リハビリをしっかり行いサポーターを日々装着すれば1年から1年半くらいで見た目の変形(Z型変形やCM関節の凸)も解消されるでしょう。
村坂ストレッチ法の重要性
前前腕部筋の異常緊張や、手指の菌の異常緊張があるので、手首も指も硬い患者さんです。
橈骨遠位端骨折(コーレス骨折)の負傷があったとしても硬すぎでした。
この場合だと、どうしても2-4指の対側にある親指の負担が非常に増えます。
これが母指 CM 関節症になる根本原因と私は考えています。
それで 骨折した後のリハビリも兼ね一生懸命練習していただきました。
ご本人さんも、こんなに指が硬いとは初めて知ったと、やはり自分の体の状態はわかっているのでわかってないのが実情です。
2日間に渡る治療で良好な結果が出たので、今後の自己リハビリでどんどん良くなると思われます。
コレステロールが上がるとタンパク質を制限していた
この患者さんは、大昔にコレステロールが上がると医者に言われたのを真面目に考えられ、卵や肉の摂取の制限をされていました。
コレステロール値は現在は体質とされているので食事で調整は不要と考えます。
また女性は閉経後から徐々にコレステロール値は上昇します。
善玉HDL、悪玉LDL、総コレステロールと色々有りますが、豊かな老後には美味しい物をしっかり食べてお薬で調整するのが良いと私は考えています。
実際、運動でもコレステロール値は下がりますが、成功している人は1000人~1,500人に1人くらいの実情です。
よって患者さんには、しっかり卵や肉を食べて関節の栄養を補給して欲しいと伝えました。