鍼(針)や灸を用いていて治療することを言います。
「はり師」「きゅう師」の免許取得者は国家試験に合格した医療の専門家です。
略称して「鍼灸師」と呼ばれます。
日本の鍼灸
日本の鍼灸は、スタンダードなき百花練乱である。
古典派・現代派の対峙のほかに、深刺・浅刺・接触鍼、手法・無手法、多数穴・少数穴、局所鍼・遠隔鍼など、さまざまな技法上の差異が存在する。
「中略」
理由の一つが、無数の流派、会派に分かれ、相互に矛盾する理論とわざを展開している鍼灸界の現状を、だれも総体として把握できていないことにある。
日本の鍼灸界を俯瞰するために必要な地図がどこにもないのである。
引用:鍼灸の挑戦/松田博公著、岩波新書
鍼灸術も術者により全く違います。
来院する患者さんから、鍼灸を受けたけど効かなかったと聞きますが、鍼灸が効かないのじゃなくて、その術者の技術的な問題が潜んでいます。
当院の鍼灸が他院より優れているのは、長年の臨床と理論に拘らず結果重視のため、治療効果を出しているからです。
米国国立衛生研究所(NIH)の有効性の研究
痛みに対する鍼治療の有効性について研究は何を示していますか?
研究によると、鍼治療は、背中や首の痛み、変形性関節症に伴う膝の痛み、術後の痛みなど、いくつかの痛みの状態に役立つ可能性があることが示されています。
また、乳がん患者に使用されるアロマターゼ阻害剤の使用に伴う関節痛の軽減にも役立つ可能性があります。
痛みを伴う症状(腰痛、変形性関節症、首の痛み、または頭痛)を持つ人々を対象とした20件の研究(参加者6,376人)のデータを分析したところ、首の痛みを除くすべての症状に対して、鍼治療の有益な効果が治療終了後1年間継続したことが示されました。
- 背中や首の痛み
- 変形性関節症
- 頭痛と片頭痛
- 筋膜性疼痛症候群
- 坐骨神経痛
- 術後の痛み
- がんの痛み
- 慢性前立腺炎/慢性骨盤痛症候群
- 過敏性腸症候群
- 線維筋痛症
痛み以外の症状に対する鍼治療について、研究は何を示していますか?
痛みの症状に加えて、鍼治療は少なくとも 50 の他の健康上の問題についても研究されています。
鍼治療が季節性のアレルギー症状、女性の腹圧性失禁、がん治療に伴う吐き気や嘔吐の軽減に役立つ可能性があるという証拠があります。
また、喘息患者の症状を軽減し、生活の質を改善するのに役立つ可能性がありますが、肺機能を改善することは証明されていません。
- 季節性アレルギー(アレルギー性鼻炎または花粉症)
- 尿失禁
- がん患者における治療に関連した吐き気と嘔吐
- 喘息
- うつ
- 禁煙
- 不妊
- 手根管症候群
- 更年期障害に伴うホットフラッシュ
Acupuncture: What You Need To Know | NCCIH
鍼灸
- 麻痺・痛み・しびれ・ふるえ・耳鳴り・難聴・脱毛への鍼灸を行っています。
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高次脳機能障害である、脳梗塞 脳出血 外傷性脳損傷の後遺症、パーキンソン病/症候群、体や手足の振戦、歩行障害、失語症/ラリルレロ パピプペポが言いにくい、
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これ以上改善が難しいと言われた/手術を勧められている症状など
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女性に多い変形性股関節症の初期(股関節インピンジメント=FAI)を判定する徒手検査を実施中です。説明はこちらへ
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不妊症(男女)・逆子・妊娠中の各症状へ鍼灸を用いて改善する可能性が知られています|自宅のセルフケア併用で一層確率を上げます。
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心の病、お薬で改善しない不眠・気分の変化・食欲不振などに、鍼を主体とした東洋医学が効果的な場合があります。
独自の特殊鍼法
2021年からは神経図や解剖運動学に基づく特殊鍼法を行い、今までに無い素晴らしい成績を上げています。
経絡治療の成功体験がありませんので使っていませんでしたが、コロナ禍の中、漢方医の指導の下、再び学習し、鍼灸の臓腑経絡などの考えが当てはまる症例も少し出始めました。
以前から、遠心性疼痛の存在も言われていましたが、2023年からは対応できるようになりました。画期的です。
解剖学矯正法、カイロプラクティック、アクティベータに反応しない患者さんや、特に高齢者に鍼で行う矯正法は抜群の効果を発揮します。
ファシア(筋膜)の癒着を剥がすのは注射より鍼のが効果的です。
長年に渡るコリ(筋腱の阻血状態)は、マッサージや整体や矯正では解消できなく、鍼治療でのみ解消できます。
強いマッサージはやればやるほど毛細血管を潰して余計にこるようになります。
その実態を知らない患者さん多く、気持ち良いからもありますから揉み屋さんへ行かれます。
また、技術の低下も叫ばれて、症状を取れる鍼の施術者が少ないのが実情です。
他院で鍼をされて効果が無くて、当院で鍼を行い効果が出た患者さんが続出しています。
治療方法
全て使い捨て及び高圧蒸気滅菌済みの針を用いて、所定の効果を上げます。
モグサやそれに準ずる温熱装置を使い、東洋医学で言うところの「ツボ」を刺激して、所定の効果を上げます。
現在、灸は無煙に移行しています。
自作の鍼は終了
自分で作成する特製の巨鍼などの特殊な針は、賠償保険の対象外になり患者さんの安全が担保されないため、2021年12月にて終了しました。
現在は管理医療機器として製造された鍼(針)や、医療機器として輸入した鍼(針)を認証(薬監証明)を受け使用しています。
必要な場合は、メーカーに特注して作成しています。
全て使い捨て及び高圧蒸気滅菌済みに変更
自作の鍼を中止したのをきっかけに、使用する鍼は全て使い捨て及び高圧蒸気滅菌済みに変更しました。
通常の豪鍼、三稜鍼は使い捨てです。
特殊な三稜針や、金鍼、銀鍼などは高圧蒸気滅菌済みです。
最近は、銀鍼も使い捨てを手配して使用しています。
理論
西洋医学のデルマトーム図の考えを第一としています。遠絡の考えも入れます。
気・血・水を調整するのが鍼灸の特徴ですが、当院での考えは、気は電気のプラスマイナスの偏在、血を血液の偏在、水は水分の偏在として考えます。
血・水の偏在の調整は加圧リハビリが有効です。
食べ物
治療の効果を最大限に上げるには体のパワーが必要です。
それのエネルギーの源は食べ物である動物・植物・鉱物です。健康食品ではありません。食べ物です。
よくよく問診すると、健康食品に頼って、食生活がおろそかになっている場合を散見します。
経方医学とは
漢方医の江部洋一郎先生(高雄病院名誉院長:京都市)が提唱している理論体系です。漢方の古典といわれる『傷寒論』『金匱要略』の解釈を再構築されました。
継承されている灰本元先生(灰本クリニック理事長:愛知県春日井市)にご教授頂き、鍼灸との関連を探り、ようやく胸・膈・心下と症状の関連が分かり始め、治療成績が飛躍的に向上しています。
灰本元先生は、五苓散(ごれいさん)の頭痛への効果や、黄耆(おうぎ)の腎不全への効果を発見された先生です。
- 灰本 元.:慢性頭痛の臨床疫学研究と移動性低気圧に関する考察-五苓散有効例と無効例の症例対照研究. フィト, 1 : 8-15, 1999.
- 灰本 元.:慢性腎不全における黄耆の血清クレアチニン低下作用.漢方の臨床 2005;52:1005‐1014.