私自身、正月にひどい風邪を引いた後、鼻水は出ないものの「後鼻漏(こうびろう)」といって、鼻の奥に鼻水が垂れる不快な症状が出ました。約10年ぶりの症状です。
診ていただいた先生から「抗菌薬は使わずにいきましょう」と提案され、漢方薬(荊芥連翹湯)とL-カルボシステイン、ベポタスチンベシル酸塩を処方されました。
それに加えて鍼灸を3回ほど行い、約1ヶ月で無事に改善しました。
その体験を踏まえ、当院では「漢方薬+鍼灸」の併用をおすすめしています。
また、鍼灸の治療方針も漢方の考え方を基準にすると非常に分かりやすくなります。
鍼灸施術を行うと、鼻水や膿の排出が増えるので悪くなったように感じますが、その後に改善します。
判断方法
「鼻水の性状」と「炎症の強さ」で判断します。
流れとしては、水(寒) → 鼻づまり → 慢性炎症 → 膿(熱)と進行していきます。
1.水タイプ(サラサラ鼻水)
【漢方薬】小青竜湯(しょうせいりゅうとう)
【状態】さらさらした鼻水・くしゃみ、冷えや雨で悪化、花粉症、アレルギー性鼻炎
【鍼灸】迎香(LI20)、合谷(LI4)、風池(GB20)、
【ポイント】交感神経を軽く高める、副交感神経を抑える(商陽(LI1)、足竅陰(GB44)への刺絡が有効)、水の停滞を改善する
※ソマニクス、鼻翼外側や頸部に貼付し、リンパの流れを促進
2.鼻づまりタイプ(初期・表証)
【漢方薬】葛根湯加川芎辛夷(かっこんとうかせんきゅうしんい)
【状態】鼻閉、肩こり、後頭部緊張、頭痛
【鍼灸】大椎(GV14)、天柱(BL10)、風池(GB20)、合谷(LI4)
【ポイント】後頭部〜頸部の緊張を緩めると鼻の通りが一気に改善します。
※臨床のコツ、後頭下筋群のリリース(C2周囲)が重要
3.慢性炎症タイプ
【漢方薬】荊芥連翹湯(けいがいれんぎょうとう)
【状態】繰り返す鼻炎、ニキビや皮膚炎あり
【鍼灸】曲池(LI11)、血海(SP10)、合谷(LI4)
【ポイント】体の「熱」を鎮め、炎症体質を整える
※ソマニクス、頬部(上顎洞)・フェイスラインに貼付
4.膿・副鼻腔炎タイプ
【漢方薬】辛夷清肺湯(しんいせいはいとう)
【状態】黄色鼻汁、頭重、前頭部痛、鼻づまり、慢性鼻炎、副鼻腔炎(蓄膿)
【鍼灸】印堂(EX-HN3)、上星(GV23)、迎香(LI20)
【ポイント】排膿ルートを作る治療が最優先、前頭洞や上顎洞のドレナージ方向を意識
臨床アルゴリズム
現場での目安は、
小青竜湯(寒・水) → 葛根湯加川芎辛夷(表+鼻閉) → 荊芥連翹湯(慢性炎症) → 辛夷清肺湯(強い熱・膿)
現場では次の順で判断します。
① 鼻水の性状
・サラサラ → 小青竜湯
・黄色・粘い → 辛夷清肺湯
② 鼻づまり
・肩こりあり → 葛根湯加川芎辛夷
③ 慢性化・体質
・ニキビ、赤ら顔、のぼせ → 荊芥連翹湯
※ニキビが無くても、赤ら顔、のぼせ、慢性化の有無 → 荊芥連翹湯
治療の流れ(当院の特徴)
① 漢方で体質を整える
② 頸部(C2周囲)を調整
③ 顔面リンパの流れを改善
④ 鼻周囲を微刺激(ソマニクス)
これにより、即効性と持続性の両方が期待できます。
ソマニクス®で行う場合は、顔面部には就寝時に貼付します。または頸部の代用ポイントに貼付します。
まとめ(臨床の核心)
- 小青竜湯=水を動かす
- 葛根湯加川芎辛夷=詰まりを開く
- 荊芥連翹湯=炎症体質を変える
- 辛夷清肺湯=膿を抜く
これに鍼灸を組み合わせ、「流れ」を作ることで改善が早まります。

