結果を出す手技療法のパイオニア

胆のう切除後 胃腸の調子がいまいちで生活の質が下がっていた中年女性

患者さんは10年位前に、胆のう摘出の手術を受けられました。

体外衝撃波結石破砕療法の適応外だったのでしょうか?医者にしたら胆嚢は無くても問題無いないので、適切な処置だったのでしょう。

胃の調子が体調に影響する

胃は第二の脳と言われます。

人間は、多彩な症状があっても結局症状が集約されるのが「胃」となる場合がほとんどです。精神的な悩みでも、胃の調子が悪くなることはよくあります。

また、胃腸の症状の自覚がなくても、命を保つのに胃腸の働きは必須です。

漢方では「百病は脾胃に通じる」と言われています。それを紐解き原因への施術を行うわけです。

この患者さんに限らず、他の症状で来院されも、今までの手術経過やお腹を切ったかの有無を必ず確認します。

その影響が年齢と共に出ることが多いのを経験しているからです。お腹を切ったり背中や腰を切ってあると、全身への症状のひとつの原因にもなることもあります。

患者さんを漢方的に診ると「腐熟=ふじゅく」が「心肺」へ影響しているのが確認できました。

【漢方の解説】胃は飲食物を受け入れ、腐熟(消化)します。そして腐熟したものを降濁作用によって小腸へ運びます。また胃は潤を好み、燥を嫌います。

施術もそれを解消するような手立てを取ります。

1週間後の施術日に確認したら、見事に「漢方の腐熱」が解消されていました。これだけスパッと改善する治療家冥利に尽きます。

それを数回続けたら患者さんが「今でにないほど、なぜか調子が良いんです」と言われます。

これは、「漢方の脾胃」の調節をした結果です。

胆のう摘出後は数ヶ月から数年で体調は元に戻ると言われていますが、患者さんは、今でも、積極的にクドい食べ物は食べなく、食べ過ぎると直ぐ胃がもたれますと言われます。

意外な症状が、生活の質を下げていた症例です。

胃が第二の脳と言われる由来

実際には、「胃」ではなく「腸」が第二の脳と呼ばれています。この表現の由来と理由について説明します。

腸が「第二の脳」と呼ばれる主な理由は以下の通りです:

  1. 神経細胞の数:腸には脳に次いで1億以上の神経細胞があり、これは脊髄や末梢神経系よりも多いとされています[1]。
  2. 独立した神経系:腸は脳とは独立して自らの判断で機能する自律神経系を持っています[1]。
  3. 進化の過程:生物の進化において、まず腸ができ、その周りに神経系が発達し、最後に脳(中枢神経系)が形成されました[1]。
  4. 脳との密接な関係:腸と脳の間には密接なコミュニケーションがあり、これを「脳腸相関」と呼びます[2]。
  5. 感情や行動への影響:腸の状態が脳に伝わり、喜怒哀楽や好き嫌いといった心の状態にも変化を及ぼすことが分かっています[2]。
  6. ストレスと腸の関係:緊張やストレスが腸の動きに影響を与え、下痢や便秘などの症状を引き起こすことがあります[3]。
  7. 腸内細菌の役割:腸内細菌が作る短鎖脂肪酸は自律神経系や生体防御に大きく関与し、脳機能にも影響を与えることが示唆されています[3][4]。

このように、腸は単なる消化器官ではなく、脳と密接に関連し、独自の機能を持つ重要な器官であることから「第二の脳」と呼ばれるようになりました。さらに最近では、腸が「第一の脳」ではないかという見方も出てきており、腸の重要性がますます注目されています[1]。

Citations:
[1] https://www.isoda.or.jp/3132
[2] https://www.nippon.com/ja/japan-topics/c08004/
[3] https://www.asahi.com/relife/article/14478878
[4] https://www.nihon-trim.co.jp/media/30283/
[5] https://www.fukuoka-tenjin-naishikyo.com/knowledge/irritable/

胆のう切除後の症状の解説

胆嚢摘出後、多くの患者は特に大きな影響を受けずに日常生活に戻ることができますが、一部の患者では以下のような症状が現れることがあります:

  1. 消化器症状:
  • 上腹部痛や違和感[1][4]
  • 消化不良[1]
  • おなかの張りやガスの溜まり[2]
  • 下痢(特に脂肪分の多い食事の後)[2][3][4]
  1. その他の症状:
  • 吐き気[4]
  • まれに黄疸(皮膚や粘膜が黄色くなる)[4]

これらの症状は、胆嚢摘出後症候群と呼ばれ、患者の5〜40%に発生する可能性があります[1][4]。主な原因としては、Oddi括約筋の機能異常、手術後の組織癒着、遺残結石、胆道損傷、胆道運動障害などが考えられます[4]。

多くの場合、これらの症状は時間とともに改善します[3]。特に下痢については、胆汁が小腸で十分に吸収されずに大腸まで到達することが原因とされています[4]。

症状の管理には、以下のような食事の工夫が効果的です:

  • 低脂肪食を心がける(特に手術後2ヶ月間)[2]
  • 食物繊維の摂取を増やす(全粒穀物、果物、野菜、豆類など)[2]
  • 少量ずつ、複数回に分けて食事をとる[2]

ほとんどの患者は、時間の経過とともに通常の生活に戻ることができます。しかし、症状が持続したり悪化したりする場合は、医師に相談することが重要です。

Citations:
[1] https://www.msdmanuals.com/ja-jp/professional/02-%E8%82%9D%E8%83%86%E9%81%93%E7%96%BE%E6%82%A3/%E8%83%86%E5%9A%A2%E3%81%8A%E3%82%88%E3%81%B3%E8%83%86%E7%AE%A1%E7%96%BE%E6%82%A3/%E8%83%86%E5%9A%A2%E6%91%98%E5%87%BA%E5%BE%8C%E7%97%87%E5%80%99%E7%BE%A4
[2] https://www.bangkokhospital.com/ja/content/nutrition-therapy-after-gallbladder-surgery
[3] https://www.tmd.ac.jp/grad/msrg/gallbladder/cholelithiasis04.html
[4] https://medicalnote.jp/diseases/%E8%83%86%E3%81%AE%E3%81%86%E6%91%98%E5%87%BA%E5%BE%8C%E7%97%87%E5%80%99%E7%BE%A4
[5] https://medical.itp.ne.jp/byouki/180618000/

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この記事を書いた人

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村坂 克之

小又接骨院・鍼灸院の院長です。鍼師、灸師、柔道整復師の国家資格にて施術を行っています。屋号の小又(こまた)は、先祖の小谷屋亦治郎(亦=又)に由来します。親指シフトユーザー。
詳しくは院長略歴をご覧下さい。