NHKBS東洋医学とは何か、初回放送日:2024年2月8日で放送されました。
鍼灸(しんきゅう)にはどんな効果があるのか?漢方薬が効くメカニズムは?
これまで謎に包まれていた「東洋医学」。今、最新科学が明らかにするその新たな可能性に迫る。
痛みや不調を改善するとされる鍼(はり)やお灸(きゅう)の「ツボ」。最近、全身の免疫機能に及ぼす驚きのメカニズムが明らかになってきた。
アフリカで広がる結核患者の免疫機能アップのために「足三里」のツボを刺激するケアなど、世界的にも注目が集まっている。
漢方薬の分野でも、腸内細菌の働きを介して腸の免疫機能を高めるメカニズムが明らかに。
東洋医学と近代医学を融合させ未来の医療を模索する取り組みも始まっている。
鍼灸が敗血症を救う
ラファエル・トレス・ロサス|ベニート・フアレス自治大学教授|免疫学(医師、鍼灸師)の論文より解説です。
Rafael Torres-Rosas – Google Scholar
敗血症にしたラットの実験で、足三里(ST36)には炎症を抑える強力な効果を確認できました。
実験の結果は、鍼をしない方は全部死亡し、鍼をした方は半数が生き残りました。
足三里(ST36)への鍼を用いた電気刺激を行うと、シグナルが脳へたどり着き、脳から迷走神経に影響し、最終的に副腎の働きを増強し、副腎はドーパミンを放出します。
ドーパミンは血管を通して全身に巡ります。ドーパミンは脳では意欲や幸福感をもたらしますが免疫にも関係しています。
ドーパミンが免疫細胞に引っ付くと炎症物質の放出が収まり全身の炎症反応が収まります。
b8f310b0-52f9-473d-83af-2d05d4c4f1d2実験方法
ラットのST36 の経穴に、伊藤超短波イトーES-160を使い、強度 40 mA、周波数 30 Hz、パルス幅 50 μsで 20 分間刺激が行われました。(ES-160は生産終了)
実際、私自身でテストすると全く感じない刺激ですが、マイクロカレント通電に近い印象です。
現行機種でパルス幅を調節できるのは、「伊藤超短波製・エスプリ PG-1601」と「セイリン製・ピコリナ」のみです。