結果を出す手技療法のパイオニア

外反母趾とベーカー嚢胞の50代女性(東京都) 扁平足と足裏のフニャフニャ感がつらい 原因は足関節にありました

東京都から来院されました。50代後半女性です。

新幹線で名古屋まで、名古屋から特急ひだで飛騨古川へお越し下さいました。

一泊二日の治療日程です。

結果、治療自体は効果が出ませんでしたが、足首の特製サポーターの装着で歩行が大幅に改善されました。

長年の生活習慣で関節の状態が変化したのは、装具を装着しないと改善方向へは向かわないことが、改めて認識できました。

今回の患者さんも、元の正常な状態を忘れていますから、良かれと思い体操や健康法をしても結局無駄足になります。

症状

患者さんの母親も外反母趾、兄も外反母趾であきらめています。小学生から外反母趾です。他の患者さんでも親子孫、三代外反母趾というのは良くみかけます。

左膝のベーカー嚢胞は、かれこれ12.3年前からで、何回か整形外科で嚢胞の液を抜いて貰ったそうです。

今回特に気になる症状は、扁平足と歩行時の足裏のフニャフニャ感だそうです。

初検の状態

外反母趾は親指の外反が30度~40度が中等度ですが悪いです。長年の生活習慣で普通に過ごせるようになっています。

左のベーカー嚢胞の外反母趾の関連もあるのか、触診で二つの嚢胞があるように感じます。難しいです。

足裏、足底は皮膚がシワシワです。しっかり立てる足裏ではなく、力が入らない証拠です。

足の2.3中足趾節関節にフニャフニャ感を感じられます。その場所は以前、魚の目を取られいてます。

治療

目標は、歩行時のフニャフニャ感の除去、ベーカー嚢胞の嚢胞を収め、外反母趾の進行を止める、できれば逆回転して少しでも改善の道を示すことです。

村坂ゴムバンド足指強化法のテストで、患者さんは足趾の第2.3が弱っていました。外反母趾あるあるです。

初日

足底筋群の反射を促すために鍼灸を行い、骨盤や脊柱の動きの矯正を行います。

治療終了後、歩行して頂き状態を確かめましたが変化は現れませんでした。

通常、外反母趾のある人は腰が悪いのですが、患者さんは丈夫な腰で影響が出ていませんでした。

2日目

初日の経過を聞きましたら変化は無いそうです。

ベーカー嚢胞も2日に渡り収める手技を行いましたが、入りませんでした。やはり年数が経ちすぎて弁が開きません。

長年のベーカー嚢胞は繰り返して治療することにより、嚢胞が減少する可能性が高まります。

治療自体は残念な結果に終わると思われましたが…

特製足首サポーター

初日にテストしたサポーターを、2日目にもう一度試したいと言われテストを実施しました。

そうしたら、足の違和感や足底のフニャフニャ感が無くなったそうです。良かったです。

初日の足底筋群を賦活する治療がようやく効いたようです。

長年の習慣で変化に気づきにくかったようです。

サポーターで歩行して頂くと、背筋も伸び、身長も2.3センチ高くなった印象です。歩く姿もキレイになりました。

これは扁平足が改善した証左です。踵をどしどし突く歩行(外反母趾特有)から変わっています。

患者さんも、足が安定してベーカー嚢胞の膝を軽い感じがすると言われます。安心感が出て来たと言われます。

継続して頂ければ、ベーカー嚢胞の大きさも減少することが期待できます。

当初のベーカー嚢胞の嚢胞を収める事はできませんでしたが、歩行状態の大幅な改善の方法が判明したので、路銀を使って来院して頂いた甲斐がありました。

月単位、年単位ですが、今後の体の変化が楽しみです。

サポーターを装着しての後日談

ご帰宅され、サポーターの感想を頂戴しました。

予想をしてましたが、右足の外側に痛みが出てきました。十数年前からベーカー嚢胞が左膝にあり、かばっていたのが影響が出ているのかも知れません。

小学生から外反母趾だったので、成長期も含めて、不安定さをカバーするための歩行や立位を学習して来られました。

今回の装具で強制的に正常な方向へ導くので、当然、苦痛を伴います。

この苦痛も吉兆なので、当初は装着する時間を短くして、徐々に体を慣らして行きます。

装着したときと外した時の差で、患者さん自身が、関節の健康度合が把握できますから、ベストな自己リハビリとなります。

この記事を書いた人

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村坂 克之

小又接骨院・鍼灸院の院長です。柔道整復師、鍼灸師の国家資格にて施術を行っています。屋号の小又(こまた)は、先祖の小谷屋亦治郎(亦=又)に由来します。親指シフトユーザー。
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