結果を出す手技療法のパイオニア

足のむくみがひどく痛い86歳女性 刺さない鍼・鍉鍼(ていしん)が劇的に効きました

飛騨地方(高山市・飛騨市・下呂市・白川村)の患者さんです。

足のむくみが酷いと来院されました。足のスネから下が象のように腫れて、腫れが足の甲まで及んでいます。指で押すと痕が付きます。

昔、当院で高濃度人工水素水足浴を体験され、それをやって欲しいとの希望でしたが休止中なので、現在の治療法を提案したら了承されました。

高齢者の足のむくみ

高齢者は心臓や腎臓の働きが弱くなり、足が腫れる場合が大変多いです。これを利尿剤で無理に引かせると、他に不具合が出る場合が多いと聞いています。

患者さんは慢性の呼吸器疾患があるので、心臓の負担も出ていると思われます。

かかりつけ医から総合病院での検査になりましたが、異常は出ませんでした。

加齢なのでしょうがないですと言わる症状です。

当然、弾性ストッキングを履かれ予防に専念されていますが、あまり効果が出ていません。

過去の臨床経験から、心臓には負担がかかっていると思われます。

経過

加圧リハビリ®を行い改善を目指します。

思いのほか加圧リハビリ®の効果が出るのが遅くて困りましたが、10回過ぎから鍉鍼を併用したら効果が出始め、追加の経穴を使用したら劇的に効き、みるみるむくみが改善しました。

これは私も驚きました。

30回の施術を経て、足の甲の腫れは無くなりました。スネと足首の腫れが少し残っています。継続中です。

患者さんも、足が軽くなり起床時の足の痛みも無くなりたいへん喜ばれています。

鍉鍼=てい鍼とは

生体内に刺入せず,皮膚の擦過や浅刺,皮膚や筋の圧迫などを主目的とする鍼具:鍉鍼,回(員,円とも記す)鍼,鑱鍼(ざんしん)があります。

漢字「鍉|てい」の部首・画数・読み方・意味など

こんな物が効くかと昔からバカにしていましたが、中国で中医学を学ばれた先生に教えを請い習得すると、確かに効果があります。

今まで経過が緩慢だった症状にも凄く良く効きます。

先生は「漢方や鍼灸は気の医学」と言われました。

霊枢・九鍼論篇には「(鍉鍼は)主として経脈を按圧し,邪気を取り除くのに用いる」とありますが、なるほどと実感しました。

邪気は霊的なものでは無く、風邪(ふうじゃ)、寒邪(かんじゃ)、暑邪(しょじゃ)、湿邪(しつじゃ)、燥邪(そうじゃ)、火邪(かじゃ)の事です。これが病気の原因になり、六淫(りくいん)と言います。

六淫(りくいん)とは

六淫とは中医学の概念であり、六淫風や六淫病因とも呼ばれます。

風、寒さ、暑さ、湿気、乾燥、火といった六つの外的要因が人体に及ぼす影響を指します。

中医学の理論では、この六邪が病気を引き起こす主な要因の一つであると考えられています。

六邪の邪気が人体に侵入すると、体内の陰と陽のバランスが崩れ、様々な病気が引き起こされると考えられています。

したがって、中医学では病気を治療する際、六淫の要因を考慮し、それに応じた治療を講じて人体の陰と陽のバランスを調整することで体調を治します。

使用した経穴

主な使用した経穴は、任脈、肝経、腎経、肺経で、まあまあの反応が出ました。(実際はその場の経穴反応を見て取捨選択をします)

もう少し効くはずと納得できなかったので、督脈、膀胱経、三焦経を追加したら、抜群に効果が出ました。

巷でよく見るてい鍼で「こする」ことは全く行わず、経穴への皮膚上の点の刺激のみです。

効く鍉鍼があって初めて実現する技です。鍉鍼もメーカーより効果の強弱がありますし、製品と術者の相性もあり選定が難しいです。

素材でも向き不向きの症状があるそうなので奥が深いです。

加圧リハビリ®

通常、足のむくみは加圧リハビリ®で消退します。

加圧リハビリ®が心臓リハビリテーションで研究されていますから、当院でも高齢者に使うと、凄く体が楽になると評価を頂きます。

患者さんも、やるほどに元気が出て来ます。こちらがびっくりします。

当院独自の方法で行っています。

この記事を書いた人

アバター画像

村坂 克之

小又接骨院・鍼灸院の院長です。柔道整復師、鍼灸師の国家資格にて施術を行っています。屋号の小又(こまた)は、先祖の小谷屋亦治郎(亦=又)に由来します。親指シフトユーザー。
詳しくは院長略歴をご覧下さい。