超高齢化社会になり、上腕二頭筋腱断裂は多く診る負傷です。
上腕二頭筋腱断裂
上腕二頭筋腱は長頭と短頭があり、切れるのは長頭です。
通常は、3-6ヶ月くらいの保存期間を経て痛みも無くなり動作も可能となります。
切れても短頭腱が代償で動くので心配は不要です。
ところが、そう行かない人も散見します。
81歳女性
高山市の患者さんです。
2年ほど前に上腕骨二頭筋腱断裂を発症しました。高齢者は腱自体が劣化していますのでよく診ます。
半年から1年ほど、整形外科へ通院し強い痛みは取れましたが、腕を100°以上挙上(腕を上げる)することができなくなりました。
色々な接骨院や治療院へ通院されましたが全く変化がありません。
エコー検査の実態
侵襲性が無いので日常の診断装置としてもてはやされています。
上腕二頭筋断裂の診察でも使われています。
肩の診察は大変難しい実情があります。プローブの当て方や、その時の状況で腱の抽出が上手くいかないこともあります。
整形外科医でも診断が間違っている症例もあるので、病状が心配な人は、違う医師の診察を受けることをお勧めします。
セカンドオピニオンではなく、新規で受診されたほうが賢明な選択です。
来院
去年来院されました。
ご主人は無くなっていて、ご家族とご一緒に住んでいますが、日常生活の掃除や洗濯は自分でやられています。
挙上に不具合があるので、洗濯物を干したり都合が悪いそうです。
肩を回すと、ゴリゴリと軋轢音がするので、その音と同時に痛みが出るので治療を開始しました。
治療方法
長田式無血刺絡療法(チクチク療法)と超音波治療を2回行い、軋轢音は半減し痛みも半減しました。
たとえ高齢者であっても、的確な治療を行うとしっかり反応します。
継続していけば、日常生活には困らない程度になると考えます。
現在は100°以上挙上できるようになりました。
後にめまいを
別の時期ですが、目まいがして、MRIなどの検査を受けましたが異常はありませんでした。
良性頭位性めまい症になりますが、超音波治療で軽快になっています。
患者さんは、頚動脈狭窄症でステントを入れていますので、頸部を触るには細心の注意が必要になります。
これも、どこをどのように治療するのかが大切です。