結果を出す手技療法のパイオニア

両手母指CM関節症の60代女性(東京都) 1年ぶりの来院 自己リハビリを一生懸命行われ痛みは無くなりました

東京都から来院される患者さんです。2回目です。

昨年に続き、本年5月連休明けの来院予約をされていましたが、お仕事の段取りの都合で変更になり、お盆前の来院となりました。

御主人の運転で5.6時間かけてお越し下さいました。

初回

1年を経過して、母指CM関節症の症状も落ち着き、普段の生活では痛みが出なくなったそうです。

当院提供の、独自のリハビリを真面目に続けて頂きました。そうしたら徐々に調子が良くなりました。日々のストレッチを怠っていると痛みが出るそうですが、再び行うと痛みも消えるそうです。

今回(2回目)

前回と同じく、一泊され2回の治療を行います。

目標は、両手母指CM関節症の維持と一層の改善、痛みは、頭痛、肩こり、背部痛、腰痛、右坐骨神経痛の改善です。

治療施術

現在、漢方東洋医学の見方を取り入れ、治療効果がますます向上しています。

まず腹診、次ぎに背候診(背中の漢方的診察)を行います。どちらも体表の観察から体の状態を推察します。

腹診を簡単に言うと、元気なお腹とは赤ちゃんのお腹です。引っかかりが無くキレイです。

悪いお腹は、部分的に曇りがあったり濁ったりしているのです。曇りとは、しこりや圧痛、皮膚の色調や毛穴の状態などを診ます。

背中の背候診は背骨の歪みに始まり、皮膚の色調や毛穴の具合を診ます。

膈(横隔膜)の上下の流れを促通する経方医学の考えに基づく鍼灸を行います。

膈の流れを促通される手技を使うようになり、胃腸や内臓が原因の症状にも劇的に効果が出るようになりました。

初日

背候診をすると、頸椎は、頸椎2番の動きが凄く硬いです。昨年と同じですから、体格的にここに無理がかかり頭痛、大後頭神経痛が出ます。

胸椎1-3は右側凸、胸椎4-7は左側凸、胸椎8-11は右側凸、腰椎1-仙骨は左側凸です。

腹診では右臍傍圧痛点(せいぼうあっつうてん)や漢方の肝の反応が有り、坐骨神経痛の原因でもあります。

鍼灸を行い、次ぎに脊椎矯正を行います。特殊鍼法の後の脊椎矯正は簡単に背骨を動かせます。

終了後、腰部の捻れは取れ、右の坐骨神経痛の症状は落ち着きました。真っ直ぐになりすぎたかなと思いましたが、それが翌日に反応として出ることになりました。

2日目

去年、初日の施術後に出た強い頭痛は、今回は出ませんでした。

肩こりも膈(横隔膜)の働きを改善したら、驚く程良くなっています。

しかし、腰が落ち着かず、痛みと言うか気持ち悪さ、不安定さが出たそうです。朝食時もじっとしてられないと言われます。

背候診の結果、頸椎4-胸椎3が左側凸、胸椎4-11が右側凸です。腰椎の歪みが戻りすぎての体の反応です。

たとえ正常に戻しても、全体とのバランスが崩れては痛みやしびれの元になりますので、脊柱全体のバランスを考えます。

これを治すために、頚椎から仙骨までつながる脊柱起立筋である横突棘筋への治療も入念に行います。

治療を終了し脊柱を診ると、腰椎の捻れは少し逆戻りましたが、全体のバランスは取れました。

背骨の歪み

患者さんは、子供の頃、側弯症と指摘されていたそうです。

背骨の捻れも、60代と言う年齢を超えて改善する事が可能な治療施術を行うので、このような結果が出ます。

側弯症は立位、座位、うつ伏せで、捻れの度合が違いますから、それが分からないと治療するのは難しい面もあります。

頻繁な来院が不可能なので、今後は真っ直ぐな棒を持ち体操することで、側弯症の捻れを自覚できますから、その体操も指導しました。

お礼のメール

ご帰宅後、翌日お礼のメールを頂戴しました。

床に真っ直ぐ寝られるようになり、腰の違和感も消えたそうです。日頃行うストレッチも左右バランスが取れてできるとの事です。

体も、調子が悪くなっても柳のようにしなり元に戻れば、必ず元気に過ごせます。

漢方東洋医学の考え

ご指導頂いている、漢方医の先生や鍼医の先生に感謝です。

今回の患者さんも母指CM関節症など整形外科の症状ですが、瘀血(臍傍圧痛点)を払い、肝(漢方)の働きが落ちていましたので上げするようにしましたから、前回以上の持続効果を感じられると思います。

「重い荷物を背負って疲れ果てている人は、まず荷物を降ろすべきである。その後に飲食物を補給する」のが治療の理想です。

今まで、六淫(りくいん)=(風邪、暑邪、火邪、湿邪、燥邪、寒邪の6つの病気の原因)を取る去る概念も持ちませんでした。

中医学の考えでは、人と言う器に益を注ぐ(治療)前に、不要な物(六淫)を取り去ることが最も大切なようです。

鍼の効果は、先達が言われている内科、眼科、皮膚科などは過去のもの思っていました。

漢方的な見方をすると、痛みやしびれの整形外科疾患にとどまらず、今までの疑問が解け、確実に効果が出ることが分かりました。

概念では無かったので、もっと研究して患者さんに還元したいと思います。

この記事を書いた人

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村坂 克之

小又接骨院・鍼灸院の院長です。柔道整復師、鍼灸師の国家資格にて施術を行っています。屋号の小又(こまた)は、先祖の小谷屋亦治郎(亦=又)に由来します。親指シフトユーザー。
詳しくは院長略歴をご覧下さい。