結果を出す手技療法のパイオニア

子供の頃から緊張すると胃がキリキリ痛む50代女性 独自の鍼で改善しました

飛騨地方(高山市・飛騨市・下呂市・白川村)の患者さんです。

股関節の痛みは鍼灸と脊椎矯正で改善し終了しましたが、慢性の頭痛と肩こりで再び来院され、順調に改善して来ました。

ある日、腹診をするとイヤな反応があったので尋ねたら、子供の頃から緊張すると胃がキリキリ痛むと言われます。なるほど…

患者さんは、持って生まれた体質と思いあきらめているとの事です。

今回の通院されている間に、もう一段階良くしたいので、その治療も合わせて行います。

腹診

診ると心下痞硬(しんかひこう)です。臍傍圧痛点(せいぼうあっつうてん)もあります。

小学生の頃から緊張すると、みぞおちから下にお腹が痛くなり、現在も仕事や家庭のストレスで同じ症状が出るとの事です。

これに対しての施術を開始します。

治療施術

膈(横隔膜)の通りを良くする施術を行います。臍傍圧痛点は瘀血(おけつ)の反応点なのでそれも加味します。

膈は上半身と下半身を隔てる関所と考えます。関所がちゃんと働かないと悪いヤツが侵入してくるし、良いヤツも出ていきます、やっかいです。

関所 – Google 検索

首や肩がこり腰が痛い人、膈の上下の症状(首肩は膈の上、腰は膈の下)をキッチリ治すのは意外に難しいのです。治らないからマッサージで誤魔化すしか無いと思われています。残念です。

瘀血はご婦人に多く、血液のとどこおりがある反応ですが、お腹を治療しても改善しません。

瘀血 – Google 検索

2回行った結果、大昔からの肩こりや頭痛はほぼ消失、お腹の痛みも出なくなり、肩の筋肉もフニャフニャになりました。

患者さんが凄く驚かれました。

背候診、背骨の歪み

今回は鍼で脊椎矯正を行いました。

背骨の歪みも、下位胸椎と腰椎部が左側凸、腰部背部の筋肉の膨隆は左凸右凹、それかばうために上位胸椎部右側凸だったのですが、5回ほどの施術で、腰や背中はほぼ真っ直ぐになっています。

現在は頸椎7番、胸椎1.2番だけの歪みのみです。これは肩こり症の人にはあるある現象で時間がかかります。

取れきれなくても椎間関節の副運動の可動性が出ればOKです。ズレではありません。

関節面や関節自体の固定化、癒着化すなわちフィクセーション(fixation)が、痛みやこり、しびれの症状の原因になります。

ここまで良くしても昔からの悪くなるクセがありますから、それに対抗できる体力を育む事が大切です。

悪くなっても柳のようにしなり元に戻れば良いのです。ここ大事です。

漢方東洋医学の考え

ご指導頂いている、漢方医の先生や鍼医の先生に感謝です。

今まで、六淫(りくいん)=(風邪、暑邪、火邪、湿邪、燥邪、寒邪の6つの病気の原因)を取る去る概念が無かったのです。

中医学の考えでは、人と言う器に益を注ぐ(治療)前に、不要な物(六淫)を取り去ることが最も大切なようです。

言い換えると「重い荷物を背負って疲れ果てている人は、まず荷物を降ろすべきである。その後に飲食物を補給する」のが理想だそうです。

鍼の効果は痛みやしびれの整形外科疾患だけと思っていましたが、先達が言われている内科、眼科、皮膚科などは過去のもの思っていました。

しかし、漢方的な見方をすると今までの疑問が解け、確実に効果が出ることが分かりました。

概念イメージでは無く本当に有るので、もっと研究して患者さんに還元したいと思います。

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村坂 克之

小又接骨院・鍼灸院の院長です。鍼師、灸師、柔道整復師の国家資格にて治療を行っています。屋号の小又(こまた)は、先祖の小谷屋亦治郎(亦=又)に由来します。親指シフトユーザー。
詳しくは院長略歴をご覧下さい。