聖医ヒポクラテスの言葉で、「First, do no harm|何よりもまず害をなさないこと」が医療者の心得です。
非侵襲刺激で病苦が改善するソマニクス®は、当院でも大活躍する医療機器です。
東洋レヂン社から、地方独立行政法人 東京都健康長寿医療センターの先生方のご尽力により掲載されたとの連絡がありました。
2022年1月に放送された東洋医学ホントのチカラ(NHK総合)で、ソマレゾンが慢性痛を改善する魔法のシールとしてご紹介されたときは腰を抜かすほどビックリしました。
当院では岐阜県発のソマニクス®取り扱い施設として活躍しています。
被験者が12名なので心許ないと思われますが、東洋医学では比較研究が難しい実情の中、凄い事です。
このような感じない刺激で改善する様を見ると、強い刺激が必要なのか?と思います。
片や、小鍼刀のような強刺激でスパッと治る事もあるので、難しいです。
未だに皮内針や円皮針の方が効くと信じている鍼灸師がいますので残念です。
研究
慢性的な首と肩の不快感を持つ人々の自覚症状と関節可動域に対する穏やかな機械的皮膚刺激の影響
概要
本研究は、慢性的な首と肩の不快感に対する2週間の自己投与による穏やかな機械的皮膚刺激の有効性を検討することを目的としました。
慢性的な首と肩の不快感を持つ参加者(n = 12)を対象に、マイクロコーンと呼ばれる接触鍼によるセルフケアの前後に、視覚的アナログスケール(VAS、0-10)を用いた痛みの感覚、不快感、動きにくさの主観測定とデジタルゴニオメータを用いた頸部と肩部の12種類の関節可動域(ROM)の客観測定を実施しました。
2週間のセルフケアにより、すべてのVASスコアがベースライン値の6.0~7.4から2.2~2.3に有意に(p<0.001)減少しました。
また、テストした12個のROM(関節可動域)のうち、8個が有意に増加しました(p < 0.013)。
このオープンラベル研究は、慢性的な首や肩の不快感に悩む人々の自覚症状や関節ROMの改善に、マイクロコーンを用いたセルフケアが有効であることを示唆しています。
しかし、マイクロコーンの有効性と安全性をさらに検討するためには、ランダム化二重盲検比較臨床試験が必要です。
原文
Watanabe_et_al-2023-The_Journal_of_Physiological_Sciences表紙引用:東洋レヂン