「ただ愛すること」が愛なのか?「ひたすらに愛されること」が愛なのか?
ミラノを舞台にめくるめく男女の愛を描くミュージカルです。
音楽
「愛とは何か」という問いに対してミュージカルで答えた作品だと思います。
歌の部分とセリフの部分の境界が曖昧で、2時間弱切れ目なしという(日本上演は休憩有り)、ソンドハイムの作品の中でも異色の造りになっています。
音楽は一筆書きのような流麗さと「愛の結晶」と言うべき美しさに満ちています。
引用元: http://www.ne.jp/asahi/sondheim/club/
こちらの解説に私も同感です。一筆書きのような音楽なのです。本当に会話のようです。
井上芳雄さん
主人公ジョルジオを演じられて、素晴らしい演技でした。
2人の女性の間で揺れ動く気持ちの様を、歌なのか会話なのか区別が付かないほど素晴らしい演技でした。
最後のカーテンコールの深々とお辞儀をする様は好感が持てました。
和音美桜(かずね みおう)さん
ジョルジオと付き合っている人妻クララを演じています。
宝塚の娘役出身です。歌唱は安心して聞けますし、難しいメロディーをそつなくこなされていました。
第一幕が上がると井上さんとの愛し合うシーンなのですが、凄くキレイな背中で、観客皆さんが度肝を抜かれました。
妖艶な人妻を見事に演じられました。
シルビア・グラブさん
フォスカというジョルジオの赴任地にいる上官の娘役です。
体も弱く心を病んでいるのですが、迫真の演技で、どんどん引き込まれます。
歌唱も素晴らしいです。
一途にジョルジオを愛し、いさかいも起こし、最後は亡くなりますが、ジョルジオの心を虜にします。
福井貴一さん
上官のリッチ大佐役です。
いぶし銀の演技で舞台を引き締めています。
伊藤達人さん
トラッソ中尉役です。
もの凄く歌唱が素晴らしいと思ったら、オペラ出身の人です。
伊藤達人 | アーティスト | PMF(パシフィック・ミュージック・フェスティバル)
ソンドハイム作品として
確かに終わってからも考える作品でした。
定番作品はスカッと晴れやかになったり感動したりするものですが、この作品は叙情的な調べで、人間の本質をミュージカルで再現することに挑戦した作品だと思います。
珠玉のミュージカル作品を生み出す伝説の男、スティーヴン・ソンドハイムとは!? | エンタステージ
追記:2015/11/25
バーブラ・ストライサンドやブロードウェイの著名な作曲家スティーブン・ソンドハイムらが、文民に贈られる最高位の勲章、大統領自由勲章を受章することが明らかとなった。米BROADWAY.COMが伝えている。
引用:バーブラ・ストライサンドらブロードウェイの著名人、大統領自由勲章を受章することに! | エンタステージ
* ソンドハイムメロディーはじわじわと引き込まれます ミュージカル「パッション」2015 in 兵庫芸術文化センター(西宮) | 村坂克之@小又接骨院のブログ 飛騨・高山・下呂
表題画像は、ミュージカル「パッション」公式パンフレット表紙