遠方からの来院です。富山県からお越し下さいました。
お仕事は歯科医師です。
根管治療(歯内療法)で親指を酷使されますから、母指CM関節症は職業病とも言えます。
来院までの状態
4.5年前に両手の母指CM関節症を発症しました。整形外科を受診して、「ゴルフをやる人は発症します」と説明を受けてその時は納得されました。
今月に入り痛みが強くなり、先月整形外科を受診し改めて母指CM関節症と言われました。
注射を勧められましたが、関節破壊を誘発するのはご存じでしたから断ったそうです。そうしたら、痛みが我慢できなければ手術ですねと言われました。
注射も気休めしか効果がありませんから賢明な選択だったと思います。
他に、両膝の痛み、左肘の内側の痛み、腰椎辷り症があります。
関節リウマチの検査をしましたが陰性です。
満身創痍です。
初検時の状態
両手の母指CM関節症、両膝関節炎、左上腕骨内側上顆炎(ゴルフ肘)です。
腰椎辷り症がありますが、地元で治療を受けて症状は落ち着いています。
治療
1回で最大限の治療効果を出すために、これだけの治療が必要になります。
- 母指CM関節自体の抗炎症
- 外側脊髄視床路への神経促通
- 関連する脊椎椎間関節や仙腸関節の副運動の可動性回復
- 骨盤と肋骨の動的可動性の回復と立位体幹軸の修正
- 患部の血流改善と上肢筋群の筋力向上
- 独自サポーターの巻き方の習得
- 自己チクチク法の習得
- 正しいストレッチの習得
使用する治療法
- 微弱電気通電
- 母指CM関節症用専用鍼治療
- 関節運動学矯正法
- パーマー式カイロプラクティック
- アクティベーター療法
- チクチク療法(長田式無血刺絡療法)
- 加圧リハビリ(医療目的加圧トレーニング)
チクチク療法だけ痛みを伴います。
経過
前部前腕筋の引きつりがあります。これが母指CM関節症の原因の一つです。指の柔軟性は幸いにありました。
今回は全身の関節の痛みがありましたから鍼灸を主体に行います。
両膝関節炎は腰仙関節や仙骨1番が関連していますので、膝と腰の治療が必要になります。
母指CM関節症と頸椎6番との関連があります。
鍼灸と矯正法マニピュレーションを行い痛みの確認をしましたら、「痛くない」と言われました。圧痛はありますが動かした時の痛みが無くなりました。
加圧リハビリ®は、筋反射スピードを向上させるので関節の負担が減ります。これにより痛みが減少します。
自宅リハビリ
自宅ではチクチク療法を中心に、指や前部前腕筋のストレッチ、自宅用マイクロカレント通電、ソマニクス療法、専用サポーターの装着を行って頂きます。
患者さんは今までテーピングをして手袋をして診療にあたっていましたが、母指CM関節症の当院特製専用サポーターも購入されましたから、これらかは楽に管理ができるはずです。
関節の栄養になるゼラチンかコラーゲンを摂るのは必須条件になります。
現在、遠方から来院される患者さんへは、自宅用マイクロカレント通電器械のご紹介や、ソマニクス療法の体験も合わせて行い、通院しなくても自宅での治療ができるようにしています。
患者さんは雪次第ですが定期の通院をしたいと言われました。