村上宥快和尚さん【1918年(大正7年)10月8日〜1991年(平成3年)3月12日・享年72歳】のお話をまとめました。
苦楽
私たちがケガでもしてご覧なさい。寝るにも寝られない痛みという、悩み苦しみが出ます。
この時には心は脳乱します。
例えば手をケガして疼くと、こんな手を切って捨ててしまおうかと、感謝のないことを思うのです。
あるいは足の先が痛いという時、もう、こんなに痛いなら足を切ってくれと言う人もあります。
楽なれば、人間は身体が暇でそういう条件に接すると、すぐセックスとか享楽を平気で相望むようになります。
苦しみや楽をしていますと、人間は、本当の心という存在を忘れてしまいます。
現代の条件はそうなっています。正しい心を条件として自己の確立をしていくことが大切なのです。
人を憎んだり、恨んだり、感謝のない心を持っていては、正法を成じていくことはできないのです。
苦楽を超越した、自分の心の修行ができる条件になり、これが中道なのです。
自分さえよければ、あるいは、自分たちの欲望を求めるのが、この世の中だという考え方を持つ人がいるのです。
大変な間違いです。