一般に第2頸椎歯突起骨折は、健常人では転落事故、交通外傷により生じることが多いです。
本症例の60代女性は、日常生活で後方転倒にて骨折を発症し、ハローベスト固定の後、手術となり回復されました。
軸椎骨折の症状・診断・治療 [骨・筋肉・関節の病気] All About
手術で頸椎1番2番の固定を行い首の可動性が無くなったので、日常的に頸部の動きが制限され、首や肩の違和感や痛み、後頭神経痛を発症し困られていました。
経過観察の医師は、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)NSAIDやプレガバリンの処方をされ多少改善されましたが、お薬を続けることへの不安もあり、その後症状もそれほど良くならなく困られていました。
術後、2年7ヶ月後に来院
手術は、頸椎1番2番をプレートとネジでの固定術を行われていました。
頸椎1番2番で首の回旋の50%を行いますから、現在は自動車をバックさせる時などは体ごと後ろを振り向く必要があります。
その日常生活の負担が、後頭神経や頸肩部の痛みを引き起こすことになります。
治療
解剖運動学矯正法やマニピュレーションでの頸部へのアプローチは禁忌です。
この場合は、鍼治療、瘀血の解消、高濃度水素水浴になります。
鍼治療ではマイクロカレント通電を行い、ミトコンドリアの修復を行います。
瘀血はそれ自体を移動させるようにし、本人の生命力次第が解消する考えになります。
治療で瘀血が消えることはありません。
手術を行った人は、殆ど瘀血があると考えて良いです。
治療が終了し、体力の無い患者さんの場合だと、その後よけいに痛みが出る場合や、瘀血を解消する術をおこなったので、数日体のだるさがあることを伝えました。
1週間後の再来院
治療後、だるさや痛みのリバウンドも無く、憑きものが取れたように体が楽になったそうです。
今後も、経過を見ながら治療を続けることになりました。
腰も首も手術で悪い症状は回復したけど、後に不定愁訴と言い、痛みや痺れが出る場合が多く、お薬では意外に良くならない人も多いのです。
このような症状も回復する場合が多いのです。
歯状骨折の分類
- タイプⅠ:歯状突起ペグの上部の骨折; まれで、不安定になる可能性がある
- タイプⅡ:歯状突起の基部の骨折; 不安定で、偽関節のリスクが高い
- タイプⅢ:歯状突起を通ってC2の外側の塊に; 治癒のための最良の予後