結果を出す手技療法のパイオニア

なぜ鍼治療がメジャーにならないのか脳神経外科医の感想 鍼灸は経絡理論に拘らず効果第一の治療を目指すべきです

私も鍼灸師の端くれです。

斯界はいつまで経ってもメジャーの治療には成り得てません。何故なんでしょうか。

挙げ句の果て、美容鍼と言う本末転倒な治療まで出現する始末です。

鍼灸術は病気に効くのに勿体ないと思っています。

但し費用対効果を考えると、後期高齢者はお薬で良くなればそれが一番安価になります。

現実は、後期高齢者ほど鍼灸の適応が多く、医療のジレンマでもあります。

痛み止めの薬が代謝で腎臓や肝臓に負担をかけることは周知の事実です。

鍼灸は体に負担をかけず痛みやしびれを取る素晴らしい治療です。

鍼灸治療のあやふやさ

長田式無血刺絡療法(チクチク療法)の発明者である長田裕先生が以前解説した頂いたことを、忘れないように自戒の念を込めて書き記します。

  1. 未だに経絡の証明がされていない。
    中国の書物に経絡に反応した写真などがありますが信憑性に疑問があります。

  2. 経絡の解釈が多数あり、分派した状態である。
    解釈が多岐多数有り、結局、何が正解なのか分からないままです。

  3. 再現性に難あり。
    当然、技術の優劣はありますが、再現しづらいのは事実です。

  4. 現代医学を凌駕していてない。
    抗生物質の無い過去、虫垂炎にも効果がある症例がたくさんありましたが現代ではありえません。このように、現代でも通じる症例が少なくなって来ています。

  5. 師事している先生の自慢が多い。
    自慢したいのは仕方の無いことですが、どこの出身でも関係無いです。

  6. 科学は師や弟子の関係無く乗り越えるもの。
    師事と一緒で、技術は関係なく広がりがあるのが事実です。

経絡は存在するイメージはありますが、それに惑わされて正しい判断ができなくなります。

答えはアベレージ(平均値)の高い治療じゃなければ、タダの理論倒れになります。

自己満足の治療をしていては、いつまで経っても向上は無いでしょう。

ということは、理論体系や治療方法に問題があるのではと考えるのが当然の帰結です。

理論がおかしいのは、当時の陰陽五行論に人体を無理矢理当てはめたからです。

やっかいなのは、当時の学者さんが人体の解剖とか行わないのに人体の働きをそこそこ推定して現代にも通用する点もあり、余計に混乱を招いています。 当たっている事項もあります。

長田先生のご著書

確実なのはデルマトーム図だけ

治療に参考になる確実な考えはデルマトーム図です。

この神経支配に基づき鍼治療を行うと整形外科疾患や内科疾患に効果が出ます。

私は経絡の考えではなく、デルマトーム図に基づく治療を行っています。

非常に安定した成績を出せるようになりました。

結果をしっかり出すのが私たちの仕事なので、徒や疎かにしてはいけません。

内臓体壁反射日本語翻訳 Dermatome (anatomy) – Wikipedia

 

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村坂 克之

小又接骨院・鍼灸院の院長です。柔道整復師、鍼灸師の国家資格にて施術を行っています。屋号の小又(こまた)は、先祖の小谷屋亦治郎(亦=又)に由来します。親指シフトユーザー。
詳しくは院長略歴をご覧下さい。