結果を出す手技療法のパイオニア

母指CM関節症の52歳女性、自宅での村坂ストレッチ法で痛みが減り、その後来院治療で親指が広げられるようになりました

遠方からの来院ありがとうございます。静岡県からお越し下さいました。

2日間の治療日程です。

事前に村坂ストレッチ法を実施されていました。

来院までの状態

母指CM関節症です。左>右です。グレードは2相当です。

7.8年前から指にだるさを感じたそうです。

2.3年前にホチキスを止める作業で痛みを感じ、整形外科を受診され腱鞘炎の診断を受けました。

去年夏にテレビで同じ症状の放送を見て、違う整形外科を受診したら母指CM関節症の診断を受けました。

痛みがあるけど、まだ手術をするほどでもないとのご託宣です。

装具を着け何とかやり過ごしていて、ネットで当院の「村坂ストレッチ法」を知り、実際行ったら字が書けるまで回復しました。

ちゃっと見てもらいたく来院されました。

初検の状態

母指CM関節症です。外見上の変形は殆どありません。

股関節の開排運動のテストは、左右共に+-です。

左手首が以前より反りにくいそうです。バックを担ぐ動作に違和感がずっとあります。

ただ、左足が常に調子が悪いそうです。腓腹筋がつったり、内転筋がつったりします。

中学生の頃から肩こりがあります。左側がひどいです。明らかな筋スパズムも認めます。

姿勢も上部胸椎が前弯しています。猫背とは異質なものです。ここが患者さんの長年の悩みを解決するポイントです。

単なる肩こりと思いもみほぐしてばかりいると、筋肉線維が硬くなりますますよくならないようになります。

痛み止めが飲めない

体質的に痛み止めのお薬が飲めないそうです。

2.3日で口内炎やじんま疹が出るそうです。我慢して飲み続けても1週間が限度だそうです。

よって、お薬を使わずに痛みをコントロールすることに期待されています。

初日の治療

このように、左半身が調子が悪くて左母指CM関節症との関連があります。

治療内容

1回で最大限の治療効果を出すために、これだけの治療が必要になります。

  • 母指CM関節自体の抗炎症
  • 外側脊髄視床路への神経促通
  • 関連する脊椎椎間関節や仙腸関節の副運動の可動性回復
  • 新しく開発した腸腰筋治療
  • 骨盤と肋骨の動的可動性の回復と立位体幹軸の修正
  • 患部の悪玉活性酸素除去
  • 患部の血流改善と上肢筋群の筋力向上
  • 独自サポーターの巻き方の習得
  • 自己チクチク法の習得
  • 正しいストレッチの習得

使用する治療法

  • 低周波通電/微弱電気通電
  • チクチク療法(長田式無血刺絡療法)
  • 解剖運動学矯正法
  • 村坂腸腰筋療法(仮)
  • パーマー式カイロプラクティック
  • アクティベーター療法
  • リアライン療法
  • 高濃度人工水素水浴
  • 加圧リハビリ(医療目的加圧トレーニング)

チクチク療法だけ痛みを伴います。

順調に治療は終了し、特製サポーターの練習、村坂ストレッチ法の正しい方法の練習を行います。

2日目の治療

治療前に状態を診ます。

股関節の開排運動のテストは両方とも前日よりスムーズに動きますが、まだ少し引っかかりがあります。

患者さんは、長年の腰痛は昨日夜や今朝はありませんでしたと。また、いつも左足が気になりますがそれが有りませんでしたと、言われました。

ただし、上部胸椎の状態が悪いので(副運動がダメ)手指の反応はイマイチです。昨日より肩こりの状態は改善しています。

「母指CM関節の痛みは昨日とあまり変わらないです」と言われます。

治療をします。

股関節の開排運動は、仙腸関節への解剖運動学矯正法や腸腰筋修正で回復させます。仙腸関節の動きの修正のみでは不十分です。

開排運動も正常になりました。股関節のFadirf・Fabere(Patrick)テストも正常になりました。

加圧リハビリ中に「あれっ、右手が開くようになっている」と言われます。

治療に反応したようです。母指CM関節症の痛みが軽い右手が無く親指が広げられるようになりました。

2日目の治療前から状態は良くなっていると判断したのですが、患者さんの体感がズレることは良くあります。

治療終了後も、悪い左手は開きにくいのですが、初検時より改善しましたので、後は自宅での自己リハビリをしっかり行えば良くなるでしょう。

肩こりの原因でもある上部胸椎

本来は定期に来院し治療で解決することが理想ですが、遠方なのでおいそれとはできないです。

上部胸椎の状態を改善するに自彊術(じきょうじゅつ)しか方法がありません。

これを実施することにより、徐々に胸椎の可動性も良くなり母指CM関節の関連痛のコントロールもし易くなるでしょう。

作業療法士の先生

お仕事が作業療法士なので、本職向けに細かい説明をしながら治療しました。

最初は、独自の治療法なので怪訝そうな表情でしたが、2日目の自己リハビリの復習をする時点では笑顔も出て、今後の痛みのコントロールに希望が持てるようになりました。

この記事を書いた人

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村坂 克之

小又接骨院・鍼灸院の院長です。柔道整復師、鍼灸師の国家資格にて施術を行っています。屋号の小又(こまた)は、先祖の小谷屋亦治郎(亦=又)に由来します。親指シフトユーザー。
詳しくは院長略歴をご覧下さい。