結果を出す手技療法のパイオニア

腰椎椎間板ヘルニアの50代女性 治療で良くなっても悪化を繰り返し転医となりました

以前から腰痛で時々来院される患者さんです。

その後、婦人科の疾患が発見され、そちらの治療にて一旦腰痛は緩解しました。

女性で、中々改善しない腰痛がある場合は、必ず婦人科の検査を受けましょう。

本シーズン(2021-2022)の豪雪で、患者さんも玄関先の雪割りで腰を痛めて来院されました。

腰椎椎間板ヘルニアの解説

腰痛 – 08. 骨、関節、筋肉の病気 – MSDマニュアル家庭版

腰椎椎間板ヘルニア|日本脊髄外科学会

治療

明らかな腰椎椎間板ヘルニアです。SLR検査(下肢伸展挙上テスト)陽性です。お尻からふくらはぎまでシビれます。

当初、通常の加圧リハビリ®と遠絡統合療法だけで痛みを取っていましたが、悪化してきたので鍼を行うことになりました。

当院独自の特殊鍼法を2回行い軽快になりました。重くても5回ほど治療すれば軽快になります。

ところが再び悪化しました。

一回目の悪化

岐阜市へ出張があり、その後に冷たいお酒をたくさん飲んだそうです。症状は元に戻り、振り出しになりました。

その後、当院独自の特殊鍼法を2回行い軽快になりました。

この時から、痛み止めで、市販のロキソニンを服用され始めました。

二回目の悪化

仕事が休みで横になっていて、大きなくしゃみをしたら動けなくなりました。

なんとか来院されましたが、特殊鍼法を行っても改善はしません。

これは、椎間板ヘルニアの位置や状態が悪化したためです。くしゃみで悪化するのはヘルニアあるあるです。

こうなると、鍼治療はもとより矯正法マニュピュレーションも不適応になります。

ここまで興奮した坐骨神経は収まるまで時間がかかるのは事実なので、一旦、整形外科へ転医となります。

ロキソニンは既に飲まれていましたので(1日1~2回)、痛み止めの使用量を増やし(ロキソニン1日3回に、又はセレコックス/ハイペンに変更)と、痛み止めで胃壁が荒れるので抗潰瘍薬(レバミピドなと)、シビレ止め(リリカ/タリージェ)の処方になります。

腰を安定させるために、より大きなコルセットも必要になるでしょう。

ブロック注射は効果の持続性に期待はできませんが、一旦興奮した神経をリセットする意味では有効だと思いますのでやる意味はあります。注射は痛いので、2回目以後は患者さんの好きずきになります。

この流れはどの整形外科でも同じです。しいて言うなら、痛み止めと体の相性があります。

その間に、鍼灸治療も併用すればもっと早く良くなることは伝えました。

結果

治る過程で再悪化を繰り返すと、効く治療を行っても、だんだ治療に反応しなくなり、治るまで余計に時間がかかります。

どの症状でも再悪化は良くないのですが、患者さんも悪くするつもりは無いので、とんだ災難です。

時々、年齢を問わずこのような経過をたどる人がいますが、再悪化しやすい人は、元々の状態が悪い場合が多いのです。

患者さんも長年の腰痛持ちでした。

早く鍼治療を開始すれば良かった

この患者さんも、最初から特殊鍼法を行っていれば、スッキリ治っている症状です。

患者さんは鍼があまり好きではありませんので、通常の加圧リハビリ®と遠絡統合療法だけで痛みを取っていました。

途中、何回か鍼治療を勧めましたが断られました。もっと強く勧めれば良かったと思っています。

症状も、火事と一緒で初期消火が大切で、鉄は熱いうちに打てなのです。

その判断が甘かったと、くやしく残念に思います。

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この記事を書いた人

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村坂 克之

小又接骨院・鍼灸院の院長です。鍼師、灸師、柔道整復師の国家資格にて治療を行っています。屋号の小又(こまた)は、先祖の小谷屋亦治郎(亦=又)に由来します。親指シフトユーザー。
詳しくは院長略歴をご覧下さい。