東京都でオートバイの整備を生業とされている患者さんです。
手を酷使するお仕事です。母指CM関節症(親指の付け根の関節の変形)が発症し、痛みが非常に強い状態でした。
東京の著明な手外科医の診察を受けられました。診断の結果、手術を勧められたそうです。
ご自身でいろいろ調べられ、当院へ来院されたのが2018年(平成30年)のことです。今回で16回目の来院になります。
初検時の症状
母指CM関節症の強い痛みが主訴でした。
母指CM関節症とは、親指の付け根にある関節(手根中手関節)が変形・摩耗する疾患です。
物をつまむ・握るといった動作で強い痛みが出ます。
オートバイの整備では、工具を握る・締める動作が絶え間なく続きます。仕事を続けるうえで大きな支障がある状態でした。
治療
手外科専門医から手術を勧められていましたが、患者さんは手術を望まれませんでした。
当院では以下の治療を行いました。
- 鍼灸
- 脊椎骨盤矯正
- 加圧リハビリ
- 母指CM関節症用専用ストレッチの指導
- 当院特製・母指CM関節症用サポーター
痛みのコントロールだけでなく、関節への負担そのものを減らすことを目指した治療です。
サポーターとストレッチはご自宅でも継続して頂きます。仕事中の保護と、日常的なケアを組み合わせることが大切と考えています。
経過・結果
現在は、多少の痛みは残るものの、整備の仕事をバリバリやっておられます。
手術なしで7年間、現役を続けておられます。患者さんの継続来院と、仕事への強い意志があってのことと思います。
今回の来院では、別の訴えもありました。首に強い過緊張があり、寝違い寸前の状態でした。
伺うと、1ヶ月ほど前に腰がぎっくり腰のようになり、湿布などで誤魔化していたとのことでした。
診ると、背中全体に強い過緊張があります。その背部の緊張をかばうために、腰と首に二次的な痛みが出たようです。こういった「かばいの連鎖」はよく起こります。
初診時、首はほとんど動かない状態でした。治療終了後には可動域が回復し、よく動くようになりました。大変喜ばれました。
次回は秋にご来院の予定です。
手術と言われてもあきらめないでください
母指CM関節症は、専門医から手術を勧められるケースがあります。もちろん、手術が必要な場合もあります。
ただ、この患者さんのように、適切な治療とセルフケアを組み合わせることで、痛みをコントロールしながら仕事を続けられる場合があります。
手術を勧められ、迷っておられる方はご相談ください。当院で何ができるか、正直にお伝えします。

