現在は日本より海外で人気の治療法です。あらためて使うと凄く効きます。
方法
イオンパンピングコードの1対1を使います。2セット(4本)必要になります。
- 左・三陽絡(黒)一陽交(赤)、間中無名穴(赤)ー三陰交(黒)
- 右・間中無名穴(赤)ー三陰交(黒)、三陽絡(黒)一陽交(赤)
これは鍼灸トポロジー学部会の講師である関行道医師の発見です。手元に学部会の書籍が残っているので本当に助かります。老眼になったのでスキャンしてディスプレイで見返しています。
このような治療で効果が出るのを体験すると「気」は本当に有るのかなと思います。
※間中無名穴=手の少陰心経、神門穴より5寸(5横指)中心側(少海穴方向)
症例
趣味で農作業をされる60代女性です。毎回、作業後から関節が痛くなり、翌日に強い筋肉痛が出るので治療しています。
今回、上記の処方を行ったら、治療終了後に関節の痛みが激減して、翌日の痛みは全く出ませんでした。翌々日に少し違和感が出たそうですが、標治法(患部の直接の治療)を行えば出現しなかったと思われます。
鍼灸の難しい面は、この治療で効果が無ければどうするのかという、二の矢三の矢の治療手段が必要な事です。終生勉強は終わりません。
イオンパンピングコードとは
「イオンパンピングコード(Ion Pumping Cord)」は、主に鍼灸治療で使用される特殊なコードで、体内のイオンバランスを調整する目的で用いられる道具です。日本では、主に経絡治療やエネルギーの流れを重視する流派で用いられています。
イオンパンピングコードは旭物療器研究所で購入が可能です。
旭物療器研究所 | 京都市にて鍼灸用品全般・関係書籍を販売しております
鍼を刺さなくても、電極でも同じ反応が出ます。柔整の先生でも活用できます。電極は尖った物(アルミヒラペット=田中寿雄先生)や心電図用電極(3M2360)でも同じ反応が出ます。
構造
- 片方に「黒いクリップ(陰)」、もう片方に「赤いクリップ(陽)」がついているコード。
- コードの途中には一方向の「ダイオード(整流素子)」が入っている。
- 電池は使わず、自然な生体電流(微弱電流)の流れを利用。
目的
- イオン(陽イオン・陰イオン)の一方向的な流れを作り、経絡や患部のエネルギーの停滞を解消する。
- 経絡のバランスを整えることにより、痛みや不調を改善する。
使い方
- 鍼を2箇所に刺す。一方の鍼に赤いクリップ(陽)を、もう一方の鍼に黒いクリップ(陰)を接続する。
- 陰から陽へとイオンが流れるようにセットする。(ダイオードの向きに注意)
- 電極の場合は、赤と黒が反対(方向性が逆)になる。
適応例
- 経絡の実証(過剰)・虚証(不足)の調整
- 慢性痛の改善
- 関節可動域制限の改善
- 筋緊張の緩和
- 自律神経の調整
特徴
- 電池や外部電源を使用しないため安全性が高い。
- 微弱な生体電流を利用するので体に負担が少ない。
- 経絡の流注理論を理解していれば効果的に使える。
注意点
- ダイオードの向き(流れ)が間違うと逆効果になる可能性がある。
- 使用には経絡理論の基本的な知識が必要。
まとめ
イオンパンピングコードは、経絡治療における「気血の流れを整えるための補助道具」です。正しく使えば、患者さんの痛みやエネルギーバランスの改善に有効です。
