結果を出す手技療法のパイオニア

数十年来の肩こりから開放された50代男性 胸・膈・心下への施術

肩こりの原因は、肉体疲労に始まり精神的なものまで様々です。

欧州人の知り合いは、肩はこらないと言われます。

昭和時代の肩こりの原因であった高血圧症も、お薬で管理できるようになったので、本来の肩こり症は年々減少しています。

普通、患者さんは肩のマッサージと考えられ、もみ屋さんや電気のマッサージを利用されていますが、効果がその場限りなのは周知の事実です。

今回は長年のつらさを漢方東洋医学で治した症例です。

「気」ってあるの?

40年近くの臨床でようやく分かりかけました。

遅ーい(笑)

漢方の名医である灰本クリニック理事長の灰本元先生が「病気とは、しょせん、気が行くか行かないかである!」と言われており、この「気」の流れが患者さんの体調を決定します。

経方医学では「重い荷物を背負って疲れ果てている人は、まず荷物を降ろすべきである。そのあとに飲食物を補給する。」と治療の大原則を説かれています。

この大原則には全く気づかなく、患者さんの病状に対して施術と言う栄養ばかりを与えていました。

先に、六淫と言う邪気を抜く(荷物を降ろさせる)ことが大切だと分かってきました。

ところが気と言っても気功になると、怪しくいかがわしい部分が多く、精神を蝕まれる場合が多いので関わらない方が賢明です。

六淫(りくいん)

邪気なんて言うと、とうとう村坂もスピリチュアル系オカルト系に走ったかと言われそうですが、「六淫(りくいん)」とは、漢方の病気の原因となる6つの邪気のことをいいます。

六淫 – Google 検索

風邪(ふうじゃ)、寒邪(かんじゃ)、暑邪(しょじゃ)、湿邪(しつじゃ)、燥邪(そうじゃ)、熱邪(ねつじゃ)、火邪(かじゃ)を指します。

まだまだ勉強不足ですが、ようやく漢方東洋医学の入口に立ったような気がします。

膈(かく)が関所に

胸膈心下(きょうかくしんげ)の上下の流れが問題なのです。

『黄帝内経』(こうていだいけい)に「胃気がなければ死ぬ」と書かれています。胃の気が最も大切と言われているゆえんです。

黄帝内経 – Wikipedia

栄養が口から取れなければ亡くなるのは自明の断りです。(胃ろうは別ですが無駄だと分かってきました)

胃気の貯蔵が脾と肌で行われています。ここに鍼灸の効く理由もあり、脾を施術しても即効性が出にくいので、胃との連携が大切なのです。

「胃-脾-肌」の関連が第一番で大切となります。

肺と肝はつながっていますから、そこにも糸口があります。

胆は表と裏をつなげる掛け橋なのでこれも外せません。

胸には心臓や肺があり分別された清い栄養で働いています。呼吸が浅いと全てがまともに働かなくなります。

膈(かく=横隔膜)は、胸と心下の関所です。関所は清濁の分別を行います。

これの働きが悪いと、清い栄養が胸にいかないので肩がこります。その反対もあり、使われた胃気が心下に降りないと肩がこります。

だから、肩こりの原因が一つでは無いのです。

(五臓六腑は漢方の働きを指します。)

現代の肩こり

現代は、脳や目の使いすぎが多く、入ってくる情報が多過ぎで、情報に溺れています。

老廃物が溜まり肩がこると言われますが、現代人の生活では考えにくく、殆どが脳や精神的な問題からの肩こりと考えます。

それは、肩の筋肉、すなわち僧帽筋の支配が脳神経の副神経が行っているからです。

これらも、胸膈心下の考えを使えば簡単に解決できる場合が多いのです。

本質は、気が滞(とどこお)っているか、不足しているか、多過ぎかなのです。

施術

メインの施術は、鍼灸で胸膈心下へアプローチする当院独自の方式です。

この方法の唯一の欠点が、体が劇的に変化するので、悪い状態を体に持っている人(症状の有る無しは別)は、どうしても痛みのリバウンド、瞑眩、好転反応的な物が出る人がいます。

悪い場所がよけいに悪化したり、他の場所が痛くなったり、反応自体はは赤飯ものの喜ばしいことなのですが、患者さんは施術で悪化したと思われがちです。

症状のリバウンドを最小限に抑え最大の効果を出すようにしたいですが、この反応を乗り越えないと大幅な改善が出ないのも事実です。

今回の患者さんは都合5回の施術で、長年の苦しみから解放されました。「長年の憑きものが取れた感じです」と喜ばれています。

ご本人さんの体のクセは直りませから、定期の施術は必要です。

経方医学

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村坂 克之

小又接骨院・鍼灸院の院長です。鍼師、灸師、柔道整復師の国家資格にて治療を行っています。屋号の小又(こまた)は、先祖の小谷屋亦治郎(亦=又)に由来します。親指シフトユーザー。
詳しくは院長略歴をご覧下さい。