腎不全の男性、県外からの来院です。主訴は透析を開始してから体がすごく冷えると訴えられます。
主治医に相談しても、まぁそんなもんですよと言われるだけで取り合ってくれないそうです。
以前から相談があり漢方の専門医をご紹介していましたが、来院され治療施術をすることになりました。
肝腎要(かんじんかなめ)
やはり、肝腎要と言うように、肝臓と腎臓が体の大事な器官です。
特に「腎」は漢方で先天の気を司る言うので、ここがダメになるとあの世に還るわけなのです。
例として、抗がん剤の中には腎毒性があるので、腎不全が先か癌が小さくなるのが先かの闘いもあります。
患者さんも本来の腎がもう働かないので、当然寒くなるわけです。
透析も続けると、カルシウム沈着が腱に始まり関節の痛みが出やすくなります。この現象は高齢者にもみられます。
銀鍼(銀素材の鍼)
ようやく、満足のいく使い捨ての銀鍼が手に入りましたので、主要なポイントに刺していきます。
本来は金鍼が理想なのですが、現代の金相場を考えると現実的では無く使用できません。どうしても必要な患者さんの場合は、業者に特注で作成してもらいます。
現在は、銀鍼で十分代用できます。
悪い人は感じませんが、私自身に刺して見ると、刺した場所がポカポカ暖かく感じてきます。凄い効果です!
銀鍼の欠点としては、刺すときの痛みが出やすい点です。
心臓も心筋梗塞の既往が有り悪いので、全身、100本ほどの鍼を使用しました。
後に、セイリン社の電子カルテで計算をしたら109本で、人間の煩悩の108と似てて、こんなこともあるなと思いました。
麻酔で頭がボーッとする
昨年大手術をしてから、頭が冴えなくボーッとすることが多いと秘書の人が言われましたので、その治療も行いました。
PICS 集中治療後症候群と言うらしいです。
頭の曇り、ブレインフォグは、麻酔の後遺症で高齢なので仕方無いと言われたそうです。
施術後、目のツヤが蘇り、声もしっかり出るようになり、土色の顔も赤みが差してきました。
患者さんも、目が冴えてハッキリ見える、頭の霧が少し晴れたような感じで楽だと言われました。
即効性が鍼灸療法の真骨頂でもあります。
数時間かけて来院された甲斐があったと言われました。
後日談、頭のモヤモヤも取れて凄く楽になったと連絡がありました。