PDQ®=Physician Data Query
米国国立がん研究所(NCI)が制作したがん情報[がんに関するデータベース]のことです。
標準治療が必須です
がんと戦うには標準治療が必須です。
巷のいかがわしい健康法や治療法で奇跡が起きて欲しい気持ちは無理もありませんが、惑わさないようにしましょう。
樹の皮、昆布、温熱など、出典論文を拡大解釈して効くと言っているのもありますので、気をつけて下さい。
アメリカ食品医薬品局の鍼灸への見解
FDA(アメリカ食品医薬品局)は1996年、有資格の施術者が使用するための鍼灸用の針を承認しました。
滅菌された無毒の針の使用を義務付けるとともに、資格をもつ施術者専用の使い捨ての針である旨を明記することを要求しています。
※当院では全て使い捨ての鍼(針)を使用しています。
鍼灸の癌へ対するPDQ®
全文のリンク
がん情報サイト | がん情報各論:[患者さん向け]鍼灸(PDQ®)
抜粋
化学療法、手術、放射線療法による吐き気と嘔吐
鍼灸の効果に関する最も有力な根拠は、吐き気と嘔吐の緩和を目的とした鍼灸の使用に関する臨床試験から得られています。
痛み
被験者の数が少なく試験デザインに問題があるため、一貫した結果が得られていません。
がんの痛み
がんの痛みに対する鍼灸の臨床試験のほとんどでは、体の様々な部位への針を用いた従来の鍼灸の方法が使用されています。
術後の痛み
鍼灸と標準治療を併用した場合に痛みを緩和する効果が高くなりました。
アロマターゼ阻害薬による筋肉痛と関節痛
鍼灸を受けた患者さんにおいて大きく痛みが軽減されたという結果が得られました。
化学療法誘発性末梢神経障害(CIPN)
化学療法誘発性末梢神経障害では数件のランダム化臨床試験で、鍼灸がCIPNの治療法として有望であることが示されました。
ほてり
ほてりの緩和を目的とした鍼灸の使用についての研究では、相反する結果が得られています。
疲労
標準治療単独の場合に比べて、鍼灸が疲労を軽減したことが示されました。真の鍼灸が偽鍼による鍼灸より効果が高いかどうかは不明です。
ドライマウス(口腔乾燥)
複数の臨床試験で、上咽頭がんと頭頸部がんの患者さんを対象として、放射線療法により生じた口腔乾燥症(ドライマウス)の治療と予防に鍼灸が及ぼす効果が検証されました。
リンパ浮腫
これまでに発表された多数の症例報告と研究では、鍼灸が安全であること、ならびに腕や脚に生じたリンパ浮腫の腫れを縮小し、症状を緩和できる可能性があることが示されています。
イレウス腸閉塞
イレウスに対する鍼灸を対象としたランダム化臨床試験では、一貫した結果が得られていません。
睡眠障害
複数の研究で、鍼灸が睡眠障害の軽減に役立つ可能性が示されています。
免疫系
鍼灸が免疫系の働きを向上させることを示唆する研究はほとんどありません。
その他のがんの症状とがん治療の副作用
がんの患者さんを対象とした他の臨床試験で、がんの症状やがん治療の副作用(体重減少、咳、喀血、発熱、不安、抑うつ、直腸炎、会話障害、食道閉塞、化学療法に関連する認知機能の問題、しゃっくりなど)に対する鍼灸の効果が研究されています。複数の研究で、鍼灸治療が症状を緩和する、または悪化を防ぐことが示されています。
鍼灸による副作用やリスクは報告されていますか
ごく少数の合併症が報告されています。滅菌状態でない針の使用や間違った箇所への刺入、患者さんの動作、針の欠損といった原因で問題が生じます。
以下のような問題があります:治療中のヒリヒリする感覚や痛み。疲労感、頭部のふらつき、眠気。感染。