腰部脊柱管狭窄症の患者さんです。男性高齢者には多発する疾患です。
整形外科の治療に疑問を持たれ来院されました。
私としては、
- 痛み止め(ロキソニン、セレコックス、ハイペンなど)
- シビレ止め(リリカ、タリージェなど)
- プロスタグランジンE1製剤(リマプロストなど)
- 筋弛緩薬(ミオナールなど)
- ビタミンB12(メチルコバラミンなど)
などを飲まれながらの治療が良いのではと提案はしましたが、 お薬は飲みたくないそうです。
お薬も手術を先延ばしするだけですから、患者さんの言うことは当たっています。
症状
歩行時に両足にしびれと痛みがあります。右足には力が入りずらいです。
神経反射テストは、膝蓋腱、アキレス腱、両側マイナスです。
生活は少しびっこ(跛行)を引きますが、大丈夫です。私たちが見れば一目瞭然ですが、素人目には分からない程度です。
治療
神経根鍼治療と、加圧リハビリ®を行います。
若かったら同時に行いますが、高齢者なので日にちをずらして行います。
神経根鍼治療の手技は大変難しく、この患者さんも患部に鍼が刺さらないので大変でした。
癒着が酷かったのですが、2回目の治療で鍼をポイントへ刺せました。
ポイントも私が独自で開発したものです。
加圧リハビリ®
日常、力が入らなくなるので、どんどん筋力が落ちてゆきます。
そうなっても、今までの生活で培った動作があるので、ご自身の筋力低下に気づかない人が殆どです。それが老化の本質でもありますから仕方無いのですが。
加圧リハビリ®を初めて行い、翌日から筋肉痛になりました。重量の負荷は全くかけていないので、凄い効果です。
こちらとしては、赤飯を炊くくらい喜ぶことなのですが、患者さんはとにかくしんどかったと言われました。
これから
あきらかな筋力低下が判明して本当に良かったです。
これからは、鍼治療で痛みとシビレの解消、加圧リハビリ®で内分泌系からの効果で、筋反射スピードと筋力向上をしてゆけば、順次症状は良くなります。
結投薬して痛みやシビレを散らしても根本が解決しませんから、当院の治療は有効であると考えます。
考察として
腰部脊柱管狭窄症は腰神経の圧迫により下半身の血流や神経の流れが阻害される症状です。
腰神経の圧迫で神経の流れが悪くなり、次ぎに血管の流れが悪くなります。
圧迫を解放する手術を行うと症状は消えますが、再び症状が出る人がたくさんいます。これは手術をしてみないと分からないのです。
神経根鍼治療や加圧リハビリ®を行うことにより、神経や血管の流れを回復するので症状が改善します。
加圧リハビリ®は、血管の柔軟性を回復される素晴らしい効果が有りますが、まだ一般には知られていません。今後着目されることになるでしょう。
米国CNNヘルスの記事要約
現在、当院で行う、加圧リハビリ®ではこのような効果があります。方法は当院が独自で考案した方法を用います。
KAATSU®機器で発生させる四肢の充血(blood pooling)は、一酸化窒素(NO)、ヒト成長ホルモン、インスリン成長因子-1(IGF-1)、ベータエンドルフィンの分泌など、いくつかの自然に発生する生化学反応を促進します。
これらはすべて、血液供給の増加、組織損傷の防止、体組成と筋肉成長の調節において異なる役割を果たし、骨や組織を成長させ、痛みを抑えます。
原文
Blood flow restriction training: What it is and how to practice – CNN