ほんの100年前まで目に入る光は、太陽、月、星、炎しか有りませんでした。
発光するディスプレイの誕生で便利になりましたが、目にすごく負担のかかる時代になりました。
症例
患者さんは、目の疾患のため左右の視力差が大きいです。
中心性漿液性脈絡網膜症(ちゅうしんせいしょうえきせいみゃくらくもうまくしょう)の既往歴があります。
年に数回、症状が出るそうです。主治医によると頻度が高いと言われています。
加齢性黄斑変性に移行する場合が多いので、将来に備えて、今から目に対して負担のかからない環境を整えることが必要になります。
治療
今回は目に対する治療より、背部痛の治療を希望されています。
脊椎矯正に始まり、針灸治療、吸角治療を行いましたが、持ちが悪く、3日から1週間しか良い状態が保てません。
漢方、東洋医学で言う、「肝は目に通ずる」と有りまして、胸椎9番の左右に肝兪というツボがあり、患者さんも肝兪と上下の膈兪や胆兪にも筋緊張が強くありました。
治療は患者さんの体との相性で、鍼灸を主体にして吸角をポイントで行うことにました。
それでも治療後の改善度合が、私の思いとは違い効きが悪い印象です。
変わらないようなら、目に対する治療も必要となります。
んー、どうしたものでしょうか。
対策
目の症状は悪化すると回復が難しいので、日頃の負担を減らすことが大切です。
長時間に渡りパソコン作業が多いので、それが今回の症状の原因であると共に、今後の目の状態を悪化させないための対策を提案しました。
目の疾患がある患者さんは多いですが、会社員の場合は支給パソコンに体を合わせることになり、おいそれと環境を変えにくいようです。
管理者との交渉で、使うデバイスの変更や設置方法の検討をして貰うようにしましょう。
コンタクトレンズを眼鏡に
パソコン操作が長時間に及ぶと目の負担が増えますから、作業中はコンタクトレンズは止めるのが理想です。
できれば、コンタクトレンズの使用は止めて頂きたいです。
また、ディスプレイを見ていると、自然とまばたきの回数が減りますから余計に目に負担がかかります。
コンタクトレンズの酸素透過率やハードやソフトと言っても、裸眼が一番良いのは当たり前です。
眼鏡はブルーレイカットか薄い着色
近視が無くてもこのような眼鏡は必要です。
当ブログでも眼鏡のブルーレイカットは不要と言っていますが、目の疾患があり、毎日数時間以上もディスプレイを見つめているなら話は別です。
患者さんは40代なのでブルーレイカットも有効です。20から40代までは有効だと考えています。
片や50代過ぎになると、ブルーレイカットがあると見える映像の切れ味が悪くなるのでお勧めしません。私もブルーレイカットは入れていません。
レンズに着色するは好みがありますからお店の人と相談になります。私は無色が好きです。
室内と屋外の出入りが多いなら考慮するべきかもしれません。
その場合はレンズの着色で光量を減らし目の負担を減らしますが、代わりにディスプレイの光量を上げると意味がありません。
ディスプレイの照度を落とすのは、暗すぎると見つめる度合が強くなるので、75%位の標準照度になるかと思います。
結局、次のディプレイを大きくして目から離すと全てが解決します。
ディスプレイはできるだけ目から離す
ディスプレイを見つめる場合は、乱視の矯正は必ず行って下さい。
患者さんはノートパソコンを使用していますので、普段から下向きの作業になります。
ノートパソコンの画面は大きくても15.6インチが主流です。ポータブルだと13インチ等もあります。
この小さな画面で長時間作業をすると、本当に目の負担になります。
なので、外付ディスプレイを購入して、なるべく大きな画面でディスプレイを遠くに置き作業をしてもらいます。
画面は24インチ以上が理想です。机が小さくて目からの距離が保てない場合は21インチでも仕方無いです。
ディスプレイを設置できない場合は、ノートパソコンを立てて置く台がありますから、それを使用して外付けキーボードを使用します。
一例としてこのような台です。
外部からの情報は、殆どが目から入りますので、健康状態にはくれぐれも気をつけて下さい。
できたら、調整が上手な良い眼鏡屋さんも知っておくと尚良いです。