村上宥快和尚さん【1918年(大正7年)10月8日〜1991年(平成3年)3月12日・享年72歳】のお話をまとめました。
五官が六根
人間には、生きていくのに必要な機能があります。それを五官機能といいます。
五官とは、味覚、臭覚、視覚、聴覚、触覚の五つを指します。これは、それぞれの神経の働きにより、成り立ちます。
感じたもの、匂ったもの、見たもの、聞いたものは、触ったもの、全て大宇宙の意識、神の心である般若波羅密多という世界に収録されるのです。
六根とは、心で見ないで五官で見たままの環境、これが六根なのです。
私たちは、心でものを見る訓練をしていくことが正法なのです。
六根は一体、どこから出たのかというと、心の中の間違った感情や知性や本能の心の働きが、そうさせてしまっているのです。
例えば、その人の顔を見ているうちは、心の中で恨みを持つことがあります。
しかし、神様の調和のエネルギーを貰っているのに、憎しみ、恨み、嫉妬に使ってはならないのです。
神様の子である自分自身の自覚がなければ、これを修正するには、なかなか難しい問題があるのです。
人間というものは、恨みとか憎しみは、なかなか消えにくいものです。
目や耳や鼻や、五官機能で感じたものは、全て、一旦心に入れて反省をするのです。
それが八正道なのです。
八正道を通しませんと、本物のことをつかむことができないのです。
先生の神理には、『心行の言魂』がありますが、この実情を通して皆さんにお話ししているのです。
私たちが目で見たこと、普通の表面意識で考えたこと、現在の経済界でも政界でも、これだけは捕まらないだろうと思ってするのですが、捕まるのです。
だから、自分の、眼・耳・鼻・舌・身・意という心だけで、ものを判断しないことです。
心に問う生活をするのです。
今日、こういう条件があったとすれば、自分の心の中はどういう条件であったかと、心に問うてみるのです。
己の正しい心に問うこととなり、これが反省なのです。
反省というフィルターを通さないと、本当に間違っているか、間違っていないのかという問題が出てくるのです。
正しく反省をすれば、引っかかってくるのです。それを修正するのが正法なのです。
正法だ、正法だと、掛け声はかけますが、切実な考え方を持たないと反省はできないのです。