忘れられた幻の映画「ひろしま」が NHK Eテレで放映されます。
ベトナム戦争映画『プラトーン』のオリバー・ストーン監督も絶賛しています。”must see! must see!” と。
オリバー・ストーン – Wikipedia
番組内容
原爆による広島の惨状、市民たちの苦しみを描き、ベルリン映画祭長編映画賞を受賞した反戦ドラマ。山田五十鈴、月丘夢路のほか、多くの広島市民の協力によって製作された。
原爆投下から7年後の広島。高校生のみち子は、授業中に原爆症で倒れ、8月6日の恐ろしい光景を思い出す…。
原爆の恐怖と惨状を伝えようと、被爆から8年後に製作された反戦ドラマ。
岡田英次、月丘夢路、山田五十鈴のほか、8万人を超える広島市民が撮影に参加、原爆投下直後の市内の惨状、市民たちが傷つき、苦しむ姿を、実際の映像も交え、迫真のリアリズムで再現し、ベルリン映画祭長編映画賞を受賞、海外でも高く評価された。
- 【出演】岡田英次,月丘夢路,神田隆,山田五十鈴,加藤嘉,利根はる恵
- 【原作】長田新
- 【脚本】八木保太郎
- 【監督】関川秀雄
- 【音楽】伊福部昭
井上・月丘映画財団
DVD発売されています
ETV特集 「忘れられた“ひろしま”~8万8千人が演じた“あの日”~」
制作は日本教職員組合(日教組)です。
当時は「教え子を再び戦場に送らない」の純粋な考えがあったから、多額の寄付も集まり、優秀な監督や撮影班、その上役者が揃い完成できたのでしょう。
この番組のインタビューに出ていた監督が言われていたように、右翼や左翼の思想に子供をダシに使い巻き込むことは辟易します。
原爆投下から8年後。広島で空前絶後の映画が製作された。
タイトルは「ひろしま」。
撮影に参加した人の数は8万8千人。日本映画史上、最大級のスケールを誇る。
原爆投下直後の広島で何があったのか?
被爆者たちが自ら演じて再現している。
この映画は、ベルリン映画祭で入賞。国際的な評価を受けた。
しかし今、この映画の存在はほとんど知られていない。いったいなぜか?
そこには、時代に翻弄された映画の知られざる事情があった。
公開されなかった理由
日本でも反共産主義レットパージが吹き荒れました。
大手配給会社は中止しました。
原爆を落とす飛行士の告白を朗読する最初の部分
まさに死のうとしている哀れな奴らに誰が哀れみと同情を感じようか、いや真珠湾とバターンの死の行進を考えるならば何も同情も怒るはずはない
アメリカは日本人をモルモットがわりに使ったという中頃の部分
広島と長崎では結局のところ、二十何万かの非武装のしかも何の罪もない日本人が、あっさりと新兵器のモルモット実験に使われてしまった
原爆被害者の頭蓋骨を掘り起こしてアメリカ人に売れという最後の部分
びっくりしなくていいんだぜ、みんなピカ(原爆)で死んだ人だよ、これを拾ってハロー(アメリカ人)に売るんだ
この3点をカットしてくれなければ上映はできないと言われたそうです。
原作
原爆の子―広島の少年少女のうったえ (1951年) を元に製作されました。
表紙:NHKドキュメンタリー – 映画「ひろしま」<スタンダードサイズ>