ある病気で手術され、1ヶ月入院後、退院されました。
ようやく仕事にも復帰されましたが、全身の関節が痛くてつらいそうです。
関節痛は安静臥床(あんせいがしょう)の結果
入院中の体を動かさないため、退院した後に体の動かし始めに体中の関節が悲鳴を上げます。
発熱性消耗疾患や手術される場合はしかたありません。寝て体力の回復を待つしかありません。
現在は、手術の場合でも、人工関節置換術でも、立位や歩行は早急にさせます。
患者さんは「今日からですか??」とびっっくりするくらいです。
ベトナム戦争のデータ
これはベトナム戦争時の将校と兵士の比較データがあって、術後安静を保った将校の回復が遅く、早期退院させる兵士のほうが回復が早かったデータがあります。
これからアメリカでは早期離床を推奨することとなったそうです。
日本もアメリカに習い、術後でも早期に立位や歩行をさせるようになったと習った記憶があります。
私の経験
私自身、30代に10日ほど入院した経験がありますが、退院して歩き始めたら両膝に激痛が出ました。
完全に回復するのは3ヶ月ほどかかりました。
安静臥床を1日行うと0.1%筋肉が減るとデータがあります。
今回の患者さんは60歳前後なのでよけいに関節痛が出ます。
ソマニクス療法
刺さない鍼 ソマセプト ソマレゾン やさしい皮膚刺激による痛みの治療器具 Catch The Voice of SKIN SOMANIKS ソマニクス 公式サイト
患者さんは体中が痛い痛いと来院されました。
消炎鎮痛剤はあまり効果が無く困っておられました。
所定の治療を行い、ソマニクス療法でソマセプトやソマレゾンを使い治療ポイントに貼っていきます。
セイリン株式会社製ですがパイオネックスゼロも用います。
どこにどのように貼るかは当院独自のノウハウがあります。
患者さんが実感する効果が出るには30分から1時間かかります。
意外に痛みのリバウンドが出る症例も多いです。これは患部が阻血の状態から血流が回復した証左であり、めでたい徴候です。
でも、これが強く出でる人は悪くなったと通院を止める患者さんが後を絶たないのでもったいないです。
これで、就寝時痛くて寝られないという症状も今夜から解消されます。
効果の推論
ソマニクスでもパイオネックスゼロでも刺激に皮膚が慣れないのだと推測します。
体動時に接触部分が浮いたりして刺激が一定でないことが良いと思えます。
経験上、皮内針や円皮針は見た目刺激が強いように思えますが、皮膚への刺激は2.3日で無くなるような印象です。
こちらが予想する効果が出ないので、私は以前から皮内針や円皮針は使用しなくなっています。
それほど人体は感受性が敏感な部分と鈍感な部分が共存している印象です。
このような治療はポイントを吟味しないと効果が出ません。
鍼を刺さない鍼
全ての治療が針を刺さないので、非侵襲性で極めて安全性が高い治療になります。
私は鍼灸師でもありますが、相成るべく鍼を刺さずに治すことを心がけています。
やみくもに鍼を刺しても病気は治らないのです。