結果を出す手技療法のパイオニア

踵骨(かかと)骨折後の後遺症の20代男性、仙腸関節の機能回復と正しい筋トレで改善し現場に復帰されました

骨折治癒後、1年以上経過しています。

就業されていますが、夕方になると踵の痛みがひどくびっこを引きます。(びっこは分かりやすい表現のため使用しています)

何とかなりませんかと、勤務先の社長さんから相談がありました。

踵骨骨折

世界標準のメルクマニュアルには

骨折の分類(sanders分類)


引用:Sanders CT classification of calcaneal fracture | Radiology Reference Article | Radiopaedia.org

踵骨骨折の問題

引用:日本職業・災害医学会会誌第51巻第5号

仕方ない面もありますが、とどのつまり、整復してもベーラー角が正常に戻らない実情があります。プライス角は正常に戻る場合が多いです。

Image: ベーラー角 – MSDマニュアル プロフェッショナル版

原因

長引く踵の痛みは、仙腸関節の機能異常が原因になります。

ベーラー角の異常でこのような痛みは出ません。

これを、当院の解剖運動学に基づく矯正法(複合矯正術より)を用いて治します。

それと合わせて、アクティベーター・メソッド(複合矯正術より)にて関節面の修正を行います。回復していない関節面の可動性を出してゆきます。

治療

この患者さんも、仙腸関節の負荷テストで異常が出ました。

仙腸関節への解剖運動学矯正法や腸腰筋修正で回復させます。仙腸関節の動きの修正のみでは不十分です。

開排運動も正常になりました。股関節のFadirf・Fabere(Patrick)テストも正常になりました。

Fadirf(ファダーフ)テスト=膝屈曲位、股関節90度屈曲、内転、内旋、屈曲。
Fabere(ファベレ)テスト=膝屈曲位、股関節90度屈曲位、外転、外旋、伸展。

筋トレ

患者さんは、過去の痛みのために特異な歩行を体得しています。

下腿筋が弱くなっていて、調べるとヒラメ筋が極端に弱くなっていました。

それを強化する運動と、一旦足指が弱くなると、どれだけスクワットをしても下半身の筋肉は付きませんので、当院開発の村坂ゴムバンド足指強化法を先に行って頂きます。

ここで腓腹筋の弱体と間違えて、カーフレイズを一生懸命行っても何も効果が出ません。(このような間違った指導が大変多い)

仙腸関節の機能異常は再発する

機能異常は再発を繰り返すので、2週間から月に1回程度の解剖運動学矯正法は必要になります。

順次、関節面が正常になれば不要になります。

ご本人もご家族も無理かと諦められていましたが、良好な結果を得られて喜んで頂けました。

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村坂 克之

小又接骨院・鍼灸院の院長です。鍼師、灸師、柔道整復師の国家資格にて治療を行っています。屋号の小又(こまた)は、先祖の小谷屋亦治郎(亦=又)に由来します。親指シフトユーザー。
詳しくは院長略歴をご覧下さい。