子供の突き指は注意が必要です。
大昔は、「指ぬき」と言って、皆さん引っ張ってました。それなりに治る場合が多いので、子供の生命力は凄いです。
指ぬきも場合により正解の時もありますが、腫れがあるときはお勧めしません。
子供の骨は未成熟
見た目は大人と同じですが、骨は全く違います。
骨端線とは
骨が成長する軟骨が出来る場所です。
これが無くなると骨は成熟したと言えます。
通常、引っ張っても骨端線に異常は起きません。
骨端線損傷とは
Salter-Harris分類
- Ⅰ型は,転位を伴うまたは伴わない骨端軟骨の骨折(成長板の骨幹端からの完全な分離)である。
- Ⅱ型は最も一般的で,骨幹端に及ぶ骨端軟骨の骨折であり,骨幹端の隅に骨折による小片を生じるが,片は非常に小さいこともある。
- Ⅲ型は,骨端に及ぶ骨端軟骨の骨折である。
- Ⅳ型は,骨端軟骨の骨折に加えて,骨端と骨幹端の骨折もみられる。
- Ⅴ型は最も一般的でない型で,成長板の圧迫骨折である。
出典:メルクマニュアル18版 日本語版
つき指と同じ症状です
ソルターハリスの分類ですが、鑑別が難しいのはⅠ、Ⅱ型です。
見た目の判断は難しい場合が多く、レントゲン検査でも出ない場合が多いので、診察した先生の裁量に依ります。
経過観察の過程で仮骨形成された状態が映る場合もあります。
分かりやすく言うと、二週間後くらいのレントゲン検査で仮骨が形成された状態から骨折(ヒビ)があったと言える場合があります。
これは致し方有りません。
治療は
骨端線損傷を疑う場合は患部の固定をします。
骨端線に捻れがある場合は、正常に戻るように整復をし、固定も正常に戻るようにします。
2〜3週間で完治します。
特に女児・女子の患者さんは、後々、指が太くならないように最善の処置を行う必要があります。
当院では特殊シーネ(指サック様)を個別に作成して装着して早く治します。