肩がこる、首が痛い。
整形外科で検査を受けたけれど「異常なし」と言われた。頸椎の治療を続けているのに、なかなか変わらない。
そういう方に、見落とされやすい原因のひとつをお伝えします。
手根管・肘部管とは
手首には「手根管」という、骨と靭帯でできた狭いトンネルがあります。ここを正中神経が通っています。
肘には「肘部管」という同じような通り道があり、尺骨神経が通っています。
どちらも、本来は手や指のしびれや痛みで知られています。しかしこれらの場所での神経の圧迫が、肩こりや首の痛みとして現れることがあります。
なぜ手首・肘の問題が肩こりになるのか
整形外科医・萩原祐介先生は、著書『しつこい首・肩の痛み・コリは手首ほぐしでよくなる』(河出書房新社)の中で「逆向性神経性疼痛」という概念を提唱されています。
しつこい首・肩の痛み・コリは手首ほぐしでよくなる: 末梢神経専門医による新メソッド

神経は、ダメージを受けた場所よりも、脳に近い側で痛みとして感知されます。手首で神経が圧迫されると、その信号が脳に向かって逆流するように伝わり、肩や首に痛みやこりとして現れる、という考え方です。
さらに萩原先生は「パラレルクラッシュ症候群」という概念も示されています。複数の場所で神経が同時に圧迫されることで、症状が複雑に絡み合うというものです。
手首だけ、肘だけ、頸椎だけ、という単独の問題ではなく、複数が重なっているケースがあります。だから、頸椎だけを治療しても変わらないことが起きます。
現代の生活習慣が原因をつくる
パソコン作業やスマートフォンの長時間使用が、手首を固めます。
手首が固まると手根管が狭くなり、正中神経への圧迫が続きます。この状態が慢性化すると、やがて肩や首に症状が出てきます。
女性に多い傾向があります。
肩こりがひどいのにマッサージを続けても変わらない、という方は、こうした末梢神経の問題が隠れていることがあります。
当院での治療
首や肩だけを診ていても、原因が手首や肘にあれば改善は難しいです。
当院では、手首・肘部へのアプローチを行います。
- ソマニクス®による皮膚への刺激で、神経の反射を介した痛みの軽減を図ります
- 鍼・てい鍼(刺さない鍼)で、局所の緊張と神経の興奮を和らげます
- 自宅でできるストレッチの指導も行います
治療と並行して、日常生活での手首の使い方を見直すことも大切です。
あきらめていませんか
肩こりは「体質だから仕方ない」と思っている方が多いです。
しかし原因が分かれば、治療の方向が変わります。手首や肘へのアプローチで、長年の肩こりが改善するケースがあります。
整形外科で異常なしと言われた方、頸椎の治療を続けても変わらない方、ぜひ一度ご相談ください。

