45年の臨床経験|観察から原因を見極め、治療設計で結果に導く

マッサージで治らない肩こり②|本当の原因は手首や肘にある場合も

肩がこる、首が痛い。

整形外科で検査を受けたけれど「異常なし」と言われた。頸椎の治療を続けているのに、なかなか変わらない。

そういう方に、見落とされやすい原因のひとつをお伝えします。

手根管・肘部管とは

手首には「手根管」という、骨と靭帯でできた狭いトンネルがあります。ここを正中神経が通っています。

肘には「肘部管」という同じような通り道があり、尺骨神経が通っています。

どちらも、本来は手や指のしびれや痛みで知られています。しかしこれらの場所での神経の圧迫が、肩こりや首の痛みとして現れることがあります。

なぜ手首・肘の問題が肩こりになるのか

整形外科医・萩原祐介先生は、著書『しつこい首・肩の痛み・コリは手首ほぐしでよくなる』(河出書房新社)の中で「逆向性神経性疼痛」という概念を提唱されています。

しつこい首・肩の痛み・コリは手首ほぐしでよくなる: 末梢神経専門医による新メソッド

神経は、ダメージを受けた場所よりも、脳に近い側で痛みとして感知されます。手首で神経が圧迫されると、その信号が脳に向かって逆流するように伝わり、肩や首に痛みやこりとして現れる、という考え方です。

さらに萩原先生は「パラレルクラッシュ症候群」という概念も示されています。複数の場所で神経が同時に圧迫されることで、症状が複雑に絡み合うというものです。

手首だけ、肘だけ、頸椎だけ、という単独の問題ではなく、複数が重なっているケースがあります。だから、頸椎だけを治療しても変わらないことが起きます。

現代の生活習慣が原因をつくる

パソコン作業やスマートフォンの長時間使用が、手首を固めます。

手首が固まると手根管が狭くなり、正中神経への圧迫が続きます。この状態が慢性化すると、やがて肩や首に症状が出てきます。

女性に多い傾向があります。

肩こりがひどいのにマッサージを続けても変わらない、という方は、こうした末梢神経の問題が隠れていることがあります。

当院での治療

首や肩だけを診ていても、原因が手首や肘にあれば改善は難しいです。

当院では、手首・肘部へのアプローチを行います。

  • ソマニクス®による皮膚への刺激で、神経の反射を介した痛みの軽減を図ります
  • 鍼・てい鍼(刺さない鍼)で、局所の緊張と神経の興奮を和らげます
  • 自宅でできるストレッチの指導も行います

治療と並行して、日常生活での手首の使い方を見直すことも大切です。

あきらめていませんか

肩こりは「体質だから仕方ない」と思っている方が多いです。

しかし原因が分かれば、治療の方向が変わります。手首や肘へのアプローチで、長年の肩こりが改善するケースがあります。

整形外科で異常なしと言われた方、頸椎の治療を続けても変わらない方、ぜひ一度ご相談ください。

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村坂 克之

小又接骨院・鍼灸院の院長です。鍼師、灸師、柔道整復師の国家資格にて治療を行っています。屋号の小又(こまた)は、先祖の小谷屋亦治郎(亦=又)に由来します。PC文字入力は親指シフト(orz配列)ユーザー。
詳しくは院長略歴をご覧下さい。