最近の研究で、「家族の中で大腸ポリープが見つかった頻度」が、大腸がんのかかりやすさに関係していることがわかってきました。ドイツのハイデルベルク大学のYuqing Huさんたちは、家族内でどれくらいポリープが見つかっているかと、大腸がんの発症リスクの関係について、スウェーデンの約1,170万人分の大規模データを使って調べました。
この研究は、2025年1月10日に医学雑誌『Gastroenterology』に掲載されました。
研究のポイント:
- 対象は1964年から2018年までのスウェーデンの家族がんデータ。追跡期間の中央値は31年で、約16万人が大腸がんと診断されました。
- 両親や兄弟姉妹など、近い親族(「一等親」といいます)に1回だけポリープが見つかった人は、見つかっていない人と比べて大腸がんになるリスクが約1.4倍でした。
- 一等親のうち、2回以上ポリープが見つかった人がいる場合は、リスクはさらに高く、最大で大腸がん2.4倍、早期の大腸がんでは3.9倍にまで上がっていました。
- 一等親にポリープが見つかった人が複数人いる場合もリスクが上がります。
- また、親族が若い年齢でポリープを見つけられている場合も、リスクは高くなる傾向がありました。
- より遠い親族(二等親)では、ポリープが2回以上見つかっている場合のみリスクが上がるという結果でした。
まとめ:
この研究から、家族の中に大腸ポリープが見つかった人がいる場合、特に何度も見つかっている場合には、大腸がんのリスクが高くなることが示されました。研究者は、「家族のポリープの状況をふまえて、大腸がん検診をより積極的に受けることが大切」としています。
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