村坂 克之 
私の鍼灸施術は、3分の短い鍼から5寸の中国鍼まで使い、様々な病を治しています。
東洋医学は色々な説があり、真面目な人ほど迷宮へ迷い込みます。私もその1人でした。再現性が難しいのが東洋医学の特徴です。
唯一、誰でも再現性があるのは井穴刺絡療法です。
東洋医学の色々な説は百科事典と思うと迷いが減ります。試して自分の使える技を駆使すれば病も退散します。
陰陽太極鍼は、これからの時代の鍼灸の一つになるのかもしれません。
たった2症例ですが、刺さない鍼の一つである陰陽太極鍼の理論を使いスパッと改善しました。
刺さずに改善したので驚愕しています。
書籍
陰陽太極鍼テキスト 刺さない鍼で効果を出す配穴と施術法 ｜ 医道の日本社(公式ショッピングサイト)鍼灸・医療用具の通信販売
吉川正子先生に直接習っていませんが、もう一度書籍に基づき行いました。
なぜかというと、一昨年も開穴施術をテストしましたが全く効果が出ませんでした。それで止めていたんです。これは効かないなって。
昨年、刺さない鍼であるてい鍼を改めて学び、皮膚の状態の観察法の精度を高めました。
これで再挑戦です。
診察法
カイロプラクティックで首の診察は手慣れていますので、首周六合診はすぐ分かります。首に多彩な症状が出るのは経絡が首に六つも集まるのですから無理も無いです。
ふくらはぎの足の陰経の診察は新鮮でした。膝側から脾、腎、肝の反応が出ます。
開穴を見つける
開穴を見つけるための皮膚を経絡の順方向と逆方向に軽く撫でます。
軽く撫でるが簡単そうで難しいです。
吉川先生は「患者にどうかと尋ねる」とありますが、私は患者の感覚に騙されるのがイヤなので自分の感覚で行います。私には正解でした。
同名経絡の表裏関係
- 手の太陰肺経（大腸経の裏）⇔足の陽明胃経（脾経の表）
- 足の太陰脾経（胃経の裏）⇔手の陽明大腸経（肺経の表）
- 手の少陰心経（小腸経の裏）⇔足の太陽膀胱経（腎経の表）
- 足の少陰腎経（膀胱経の裏）⇔手の太陽小腸経（心経の表）
- 手の厥陰心包経（三焦経の裏）⇔足の少陽胆経（肝経の表）
- 足の厥陰肝経（胆経の裏）⇔手の少陽三焦経（心包経の表）
を参考に取穴を行いますと、あら不思議、開穴が見つかるではありませんか！
繆刺、巨刺の考えを使います。この考えも外れると何も変化が無いので全部信用はできません。
石坂流の鍼で得意な兪穴を参考にし、募穴は割愛しました。
施術
皮内針と王不留行の種を使い行います。
補は王不留行の種、瀉は皮内針を貼らずに置きテープで固定します。
結果
2症例ともに、直後に少し良いかな、半日経つとほぼしびれや痛みは解消しました。
当日夜に全て取って頂きました。
一例（60代女性）は、剥がした夜は当初の痛みが半分戻ったと言われました。
もう一例（60代男性）は、剥がした夜も翌日も痛みやしびれが90％引いたそうです。
感想
これで鍼嫌いの患者さんにも東洋医学に基づく施術が可能になります。
「開穴」で検索すると、ヨガで行われる開穴トレーニングがありますが、東洋医学から考えると無理筋です。そんな気になるだけの自己満足でしょう。
ヨガとはバラモン教の教えで肉体行を行い悟りを得ようとする方法です。追求すると残念ですが精神が蝕まれますので十分気を付けて下さい。
健康体操に留めるが吉です。