私は鍼灸師、柔道整復師として、多くの高齢者の方々の身体的不調を診てきました。
特に腱や靭帯の痛みは、高齢になるとより一層の注意が必要です。
最近、80代の女性が上腕二頭筋腱部の痛みを訴えて来院されました。しかしながら、たった3回の施術後に中止されてしまいました。
腱の痛みの治療には時間がかかること、これは私が常に患者さんに伝えていることです。
この患者さんは、私の説明を納得していただけませんでした。意思の疎通が難しかったのも事実です。
施術内容は、腕の筋の痛みだけでなく、肩こり、腰痛、膝痛も同時に行いました。
この場合、こうした多角的なアプローチ(全身の施術)は、特定の部位への効果が減ることはあまり知られていません。
この説明もしっかりしませんでした。
加齢により、体は多くの変化を経験します。複数の痛みが同時に現れることも珍しくありません。
このため、優先順位を付け、それに応じた治療を行うことが大切です。
この点において、私はもっと患者さんの声に耳を傾け、理解を深める必要があったと反省しています。
最後に、高齢者の腱や靭帯の痛みに対処する上で、根気強い施術が必要です。
患者さんの痛みを和らげ、より良い生活を送って頂けるようにする責任があります。
あきらめなければ、必ず良い結果が出ます。