結果を出す手技療法のパイオニア

自彊術(じきゅょうじゅつ)の効果を再確認 腰椎すべり症固定手術後の患者さんも体操の効果を実感されました

天才治療家である中井房五郎氏が自分のために行ってた体操を、後援者である実業家の十文字大元氏が教えを請い普及させた健康体操です。

戦前、この体操が全国に普及しました。戦後はラジオ体操に取って代わられました。

中井房五郎は弟子を取らず治療を行っていましたが、全国から患者が殺到して門前市ができたそうです。

それは大変良いことなのですが、折角、地方から出て来ても治療を受けられない人が続出して、十文字氏がそれでは困る人が大勢いるのでなんとかして欲しいと懇願して、この体操の普及が実現しました。

自彊術(じきょうじゅつ)

現在、公益社団法人として普及活動されています。

ホーム|公益社団法人 自彊術普及会

公益社団法人自彊術普及会 – YouTube

YouTubeや書籍も発行されていますから、見よう見まねでも十分効果が出ます。

私の自彊術体験

私はより良い治療法の研究をしていて、この健康体操に平成の初めに出会いました。

中井房五郎は弟子に秘伝である自彊術療法を伝えませんでしたので、現在では方法がさっぱり分かっていません。

近年になり、ようやく解明の糸口を発見しましたが、天才が考えることは常人の域を脱するもので、素晴らしいと実感していますし、現在でも行われている手技もあります。

驚異的な効果を発揮したのは、中井氏の技もさることながら、施す順番が非常に大切だと気づきました。

この素晴らしい療法を患者さんに提供するのは、まだまだ先になります。

私も自彊術は、体調が悪いと必死に毎日やりますが、良くなると「喉元過ぎれば熱さを忘れる」ではありませんが、さっぱりやらなくなります。

今夏を過ぎてから、私自身の腰部脊柱管狭窄症の調子が悪く、鍼を自分自身に刺してずいぶん良くなったのですが、自彊術をやるようになったら、きれいさっぱり良くなりました。

患者さん

約20年前に腰椎すべり症で、ある病院で固定術を受けられました。素晴らしい手術で今でも状態が良いです。いい執刀医に巡りあうのも運命と思います。

しかし、この術式のデメリットになりますが、固定した上下の椎骨に負担がかかります。

患者さんは、骨盤の仙腸関節や腰椎3/4番に負担がかかり、痛みが出て来院され、施術後に「なんか体操とかありませんか?」と質問を受け、自彊術を紹介しました。

後日、膝関節炎で来院され、若干の水が溜まっていましたが、仙腸関節の施術も行い順調に改善しています。膝と仙腸関節も密接な関連があります。

施術が終了した後に「あの体操凄く良いですね」と言われました。

自彊術を勧める理由

この体操の凄いのは、体操で脊柱の矯正ができることです。私の知っている健康体操の中で、これしか脊椎の矯正ができません。

発明者の中井房五郎氏は、4.5回行えば1回施術を受けるのと同じになると言われていますが、私自身の経験では30日で1回施術の効果です。

これは現代人の生活スタイの変化が原因です。椅子に長時間座る、肉体労働が少ないからです。

時間もたった15分位で畳一畳でできます。

ヨガを蔑むつもりはありませんが、あれはバラモン教の教えで肉体行で悟るための修行方法です。

突き詰めて行かれる人を見ると、悟りではなく逆に肉体も精神を壊す人が多いので、健康体操で留めるのが吉です。

私はカイロプラクティックを行う手練れですが、脊髄神経の出所である背骨の健康が、肉体の健康に直結しています。

現在の健康体操の全ては、この自彊術を基本作られています。

引用:自彊術・中井房五郎著/国立国会図書館デジタルコレクション

この記事を書いた人

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村坂 克之

小又接骨院・鍼灸院の院長です。柔道整復師、鍼灸師の国家資格にて施術を行っています。屋号の小又(こまた)は、先祖の小谷屋亦治郎(亦=又)に由来します。親指シフトユーザー。
詳しくは院長略歴をご覧下さい。