乳房手術後の慢性的な痛みは「乳房切除後疼痛症候群(PMPS)」と呼ばれ、治療による神経の損傷が関与しているとされています。
数ヶ月から数年で解消されると言われますが、治療は痛み止めの処方が標準治療となります。
他の部位の手術で、痛み止めが効かずにシビレ止めで軽快になった人もいますから、まず担当の医師に相談しましょう。
でも、軽快にならない人はどうすれば良いのでしょうか。我慢するしかないのでしょうか?
手術後に痛みが引かない
40代後半の患者さんです。
今年、両乳房の全摘出をされました。既にタモキシフェンの投与は始まっています。
同じ手術をされた人と比べて軽いですよと看護師さんに言われたそうですが、日々痛みが辛くて辛くて、ご自身でお灸をされていました。
お灸の熱感があると痛みがスーッと引くそうですが、引き換えにヤケドになったそうです。
仕方無いなとあきらめていましたが、他の疾患で当院へ通院中で、思い切って相談をされました。
施術
両乳房の手術痕と、脇のリンパ節の手術痕が痛いそうです。
難しい症例ですと、話を伺っている最中から、症状に合わせた施術の設計図が頭の中に幾通りもできます。実際に体を拝見して施術法を確定します。
症状を緩和する、当院独自の鍼灸施術を行います。
今までたくさんの乳癌手術後の患者さんを診てきたので、判明した一定の法則があります。
そこを指標に独自の施術をします。他の症状もあれば一緒に行います。
1回で軽減
先日、2回目の施術を行いましたが、問診で「初回の後に凄く楽になりうれいしです、痛みも減りお灸はしなくても良くなりました」と言われました。
お体を拝見すると、胸の手術痕のむくみが少なくなり、脇の腫れも少なくなっていました。
継続した施術は必要ですが、当院の特殊鍼法の効果の凄さに私も驚きました。
乳癌手術後の患者さんが多数来院されていますが、どんな病気になっても体調を整えて生きることは大切だと思います。
治療効果を最大限に上げるのは、患者さんとの信頼関係と、西洋医学と東洋医学の併用だと思います。
医師も、この痛みに対しての鍼施術が効くとは知らないのが実情なので、この病状でお悩みなら遠慮無くご相談下さい。
又、痛くても運動を指示する医師が多いのですが、痛みが軽くならないと動かす気になりません。