結果を出す手技療法のパイオニア

腰椎椎間板ヘルニアの始まりが骨盤・仙腸関節の可動性不良(fixation)だった40代男性

この患者さんです。

当初、矯正法マニピュレーションが反応しないと判断する悪い症状でした。

何度も言いますが、骨盤がズレることはありません。可動性不良は起きて動きが悪くなることは有ります。

現在、残っている症状のヘルニア側の仙腸関節の痛みに対する治療を行っています。

最初に矯正法マニピュレーションを行ったか行っていないか忘れていました。カルテを確認すると、鍼灸と加圧リハビリ®のみで良くなっています。

解剖運動学に基づく矯正法

仙腸関節の可動性不良(fixation)を疑い、矯正法マニピュレーションを実施します。

カイロプラクティックのようにポキポキの矯正や、トムソンテーブルのようにパコンとドロップするテクニックは不要です。

私は、過去、さんざんそれらの療法をやってきて、現在の矯正法にたどり着いたのです。トムソンテーブルは売却しています。日本人には合わないと思っていますし、やり過ぎて過可動性になると、その関節は緩んだままで戻らないからです。

懐かしがる患者さんもいますが、治療というのは効果のアベレージ/平均点を上げる事なので、取捨選択は必要になります。

患者さんとしては、へんな指圧?マッサージ?という感じです。術を受ける時のポジションも関節が緩む位置なので、収まりが悪く気持ち悪いです。

この、LPP(loose-packed position/ルーズパックポジション)の姿位が取れるかどうかが治療の成否を決めます。これを知らない人が多いです。段取り八分です。

治療が終了して、仙腸関節ストレステストである股関節の動きモーションを確かめると、患者さんが目を白黒させて「全然違う、引っかかりが無いです」と言われました。

私が診るに、悪い方(患側)ではなくて痛く無い方(健側)の仙腸関節の動きが悪いので、これが今回の坐骨神経痛の大元の原因だったと、治療から逆説的に判明しました。

仙腸関節の動きを一般の人が理解されるには、自転車のペダルを膝や腰と考えて下さい。仙腸関節という軸がブレたり引っかかるとしっかり漕げません。仙腸関節の一次異常が下半身へ、二字異常が上半身に出ます。

東洋医学は治療即診断

東洋医学的な治療は、診断は大雑把で、治療後の体の変化を診て診断するものなので、治療即診断となります。

これが西洋医学と全く逆になりますから、東洋医学はうさんくさいと言われるゆえんです。

患者さんが、しっかり真面目に通院されたことが今回の治療成績を引き出したので、いくら良い治療を施しても通院されないと治るのも治らないです。

仙腸関節ストレステスト

  • Fadirf(ファダーフ)(膝屈曲位で股関節を90度屈曲し、その位置から内転、内旋、屈曲。仙腸関節の前屈が起こる。)
  • Patrick(パトリック)テスト:仰臥位で股関節を屈曲・外旋し,足部を反対側の大腿にのせて胡座をかいたような姿勢にして膝を下に押しつける。
  • Fabere(ファベーレ)(股関節90度屈曲位から外転、外旋、伸展。股関節に問題がなければ仙腸関節の検査になる。仙腸関節前屈が起こる。)
    これらが仙腸関節の可動性不良を誘発するコンプレッションテストになります。

関節の動きの滑らかさを判別します。一連のテストも力任せにやり股関節を痛める術者も多く、異常かどうかを上手に引き出すには、数をこなし指導を仰ぐしかありません。

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村坂 克之

小又接骨院・鍼灸院の院長です。柔道整復師、鍼灸師の国家資格にて施術を行っています。屋号の小又(こまた)は、先祖の小谷屋亦治郎(亦=又)に由来します。親指シフトユーザー。
詳しくは院長略歴をご覧下さい。