結果を出す手技療法のパイオニア

変形性腰椎症の痛みと太ももへのしびれの74歳男性 神経ブロック的デルマトーム鍼治療で症状は収まりました

74歳の男性です。

当院が高山で開業した頃より通院されている患者さんです。10年前には腰部脊柱管狭窄症で通院され治療により完治しています。

今回の症状

今回は農作業が立て込み特に刈払い機で除草を行い、その後急に腰が伸びなくなり、痛みと両側太もも裏側への放散痛が強く出て来院されました。

当院規定の治療を行い様子を見ますが、症状が和らぐのが1日ぐらいですぐ元に戻ってしまいます。

前回の腰部脊柱管狭窄症の時は、解剖運動学に基づく関節矯正法と鍼治療で治りましたが、この患者さんは既に矯正法に反応しなくなっています。確か70歳前後からだったと記憶しています。

矯正法に高齢でも反応する患者さんも居るのは事実で、治療法の取捨選択が重要になります。

これは関節の遊び(関節副運動)が年齢と共に少なくなり治療に反応しなくなるからです。人体の仕組みを分からずに何でも同じ治療を行うのは風車に向かうドンキホーテと同じです。

この度、新しく採用しているファシア筋膜リリースを行いましたが、腰部に対しては効果が出にくいことが判明し、骨の変形からは想像していましたが、この病状は筋膜の問題ではないことが確定しました。

そこで、鍼治療をしっかり行うこと、週に2.3回続けることにより変化が出てきました。通常の鍼治療も当院独自の方法です。トリガーポイントを軸にして治療を行います。

整形外科へ

治療途中、病態確認のため整形外科へ紹介し、レントゲン検査で変形性腰椎症と診断が出ました。腰部コルセットと消炎鎮痛剤の飲み薬と貼り薬を処方して頂きました。痛み止めを服用して頂きながら当院の治療も行うことは多々あります。

処方のお薬を飲むと胃が悪くなるため継続せず、コルセットも皮膚がかぶれるため続けずに、結局処方の効果は無く、再び当院で治したいとのことで再開することになりました。

多少の痛みも伴いましたが、当院開発の神経ブロック的デルマトーム鍼治療を用いることにより劇的に改善し、都合6回で後痛みは消失しました。

私が開発した神経ブロック的デルマトーム鍼治療においては、以前より頚椎や腰椎の椎間板ヘルニアや腰部脊柱管狭窄症に効果が出ていましたが、鍼治療の時に多少痛みが出る場合が多いので、初診からは行うことは少ないです。但し、遠方から来院された患者さんへは提案をいたします。

本当は手術予定

当初、患者さんの病状があまりにも悪く、全く症状の変化がなかったので、高名な脊髄脊椎外科の先生へ紹介する予定でした。患者さんの症状が改善してくれたので、手術することはなく無事治癒し終了となりました。

患者さんは「魚みたいに背開きにならなくて本当に良かったです」と言われました。

どうしても手術が必要なら、上手な先生に切ってもらいたいのは皆さん思っています。

慢性疾患

慢性疾患は、患者さんが納得する結果に至るまで時間がかかります。

今回の症例は驚くほど早期に治りましたが、通常は年齢の数だけの通院が必要だと考えて頂くと妥当かと思います。

当院では治療方法が多彩でありますから、患者さんを治療して変化が無いようですと、その治療から次の治療方へシフトして症状の改善にあたり、早期に改善するように心がけています。

単一治療ですと施す治療が手詰まりになりがちですが、当院ではそのようなことはなく最良の治療結果が得られることが可能となります。

神経学はデルマトームが基本

引用:Dermatome (anatomy) – Wikipedia

経絡がうんぬんと言っていてはこのような病態は改善しません。

この記事を書いた人

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村坂 克之

小又接骨院・鍼灸院の院長です。柔道整復師、鍼灸師の国家資格にて施術を行っています。屋号の小又(こまた)は、先祖の小谷屋亦治郎(亦=又)に由来します。親指シフトユーザー。
詳しくは院長略歴をご覧下さい。