歌舞伎役者さんの敬称を「丈」と言うらしいですが、私は「さん」付けの方が親近感か湧きます。
公式
平成29年度(第72回)文化庁芸術祭主催
平成29年10月歌舞伎10月3日(火)~10月27日(金)
通し狂言 霊験亀山鉾(れいげんかめやまほこ) - 亀山の仇討 -
序幕
12:30-1:15
第一場 甲州石和宿棒鼻の場
第二場 同 石和河原仇討の場
第三場 播州明石網町機屋の場
幕間35分
二幕目
1:50-3:30
第一場 駿州弥勒町丹波屋の場
第二場 同 安倍川返り討の場
第三場 同 中島村入口の場
第四場 同 焼場の場
幕間15分
三幕目
3:45-4:35(大詰めまで)
播州明石機屋の場
大詰
勢州亀山祭敵討の場
実話からの南北の創作
石井兄弟仇討の碑の観光スポット情報|観光スポット|観光三重(かんこうみえ)|三重県(伊勢・鳥羽・鈴鹿・津・伊賀・松阪など)の旅行情報はここ!
咲き誇る大輪の悪の華
「亀山の仇討」を題材にした四世鶴屋南北の仇討物の傑作です。
藤田水右衛門(ふじたみずえもん)(仁左衛門さん)の悪役は最高です。73歳とは思えません。
「ざまあみやがれ」と言わんばかりの憎たらしい表情が、吸い込まれるような名演技です。
盟三五大切(かみかけてさんごたいせつ)を松竹座で観て、ようやく歌舞伎の凄さを知った次第です。
仁左衛門さんは、今回の国立劇場の霊験亀山鉾は最後になるかもしれないと聞きまして、早速予約しました。
仇討ちの相手を毒殺や闇討ちの返り討ちにして、本当に憎らしいけどいい男です。化粧も相俟って見得も最高です。
大向こうの方々の声が少なかったのが残念でした。
通し狂言で、四時間の長丁場なので昼食は食堂でゆったりできるように予約したので、長幕でくつろげました。
お尻が痛くなるので、幕間はロビーをウロウロして運動です。
2幕から石井源之丞(錦之助さん)の好演で中だるみが全く無く、うたた寝する人も少なかったです。錦之助さんの演技は良いですね。出しゃばらないけどピリッとしています。萬屋!っ言ってみたいです。
錦之助さんも、返り討ちに遭って死んでしまいます。
2幕の最後の「焼場」では、八郎兵衛(仁左衛門さん二役)が、源之丞(錦之助さん)を弔うおつま(雀右衛門さん)の本心を知って、逆上して正体を顕し、本雨(本当に雨が降ります)と井戸を使った凄絶な立廻りは見応えがありました。
おつまさんもお腹の子供共々殺されてしまいます。
大詰めで橋之助さんが出てきましたが、襲名披露の時より良い声になっていて、これからの伸びしろを予感させます。
「善を勧め、悪を懲しめる」勧善懲悪の物語なので、で仁左衛門さんは仇討ちで倒れますが、石井一家の積年の恨みを受けて死ぬのを表現されてヒクヒク動く様は本当のようで、死に様も男前です。
滅多に観られない演目だったのでうれしかったです。
隣席になったお江戸の人も、上方の仁左衛門さんの芝居を観られて良かったと感想を言われておりました。
出演:
片岡仁左衛門
歌舞伎俳優名鑑 現在の俳優篇 「十五代目片岡仁左衛門」
中村又五郎
歌舞伎俳優名鑑 現在の俳優篇 「三代目中村又五郎」
中村錦之助
歌舞伎俳優名鑑 現在の俳優篇 「二代目中村錦之助」
片岡孝太郎
歌舞伎俳優名鑑 現在の俳優篇 「初代片岡孝太郎」
中村橋之助
歌舞伎俳優名鑑 現在の俳優篇 「四代目中村橋之助」
片岡松之助
歌舞伎俳優名鑑 現在の俳優篇 「四代目片岡松之助」
坂東彌十郎
歌舞伎俳優名鑑 現在の俳優篇 「初代坂東彌十郎」
中村雀右衛門
歌舞伎俳優名鑑 現在の俳優篇 「五代目中村雀右衛門」
片岡秀太郎
歌舞伎俳優名鑑 現在の俳優篇 「二代目片岡秀太郎」
ほか
チラシ