この患者さんの症状はⅠ度で軽いですが、高齢のため長引くことが多いです。
Ⅰ度でも通常は2〜4週間かかります。
膝内側側副靭帯損傷の分類
内側側副靭帯損傷は、その程度によりⅠ~Ⅲ度に分類されています。
Ⅰ度は、小範囲の線維の損傷で、膝の不安定性を認めないものです。
Ⅱ度は、軽・中等度の膝の不安定性を認めますが、靭帯は完全断裂には至っていないものです。
Ⅲ度は、靭帯組織が完全に断裂したものです。
Ⅱ度までは良く診ます
初見が肝心です。
高齢者で、あきらかな靱帯損傷が認められる場合は、レントゲンの他にMRIやCTの検査で関節の中の状態の観察が必ず必要です。
靱帯の損傷が激しく、膝関節の動揺(グラグラする)がひどい場合はニーブレース(膝固定具)が必要になります。
この場合は整形外科へ転医が必要です。
この患者さんへの治療は
鎮痛目的の電気治療
下腿のアライメントの矯正
高濃度水素水浴
腫脹に良く効いた高濃度水素水下肢浴
膝窩や膝内側面に腫れを認めましたが、1回の治療でほとんど消失しました。
この年齢になると、治療で効果が出ましたが、本人さんの体力が有ったからこそです。