45年の臨床経験|観察から原因を見極め、治療設計で結果に導く

手のしびれ・膝の水・腰痛――多彩な症状を一つひとつ解く

60代女性です。変形性頸椎症、腰椎すべり症、右膝関節炎で大学病院に通院されています。患者さんの知人のご紹介で来院されました。

初検時の症状

いちばんつらいのは、手のしびれだとおっしゃいました。

夜間も1〜2時間おきに目が覚めるとのことです。日中だけでなく、睡眠まで奪われている状態でした。

大学病院では「頸椎が原因」との説明で、しびれ止めのお薬が処方されています。しかし、服用しても改善しないとのことでした。

診立て

私が診たところ、手根管症候群が主な原因です。

手根管症候群を特定する、ファレンテスト(Phalen Test)、ティネル様サイン(Tinel Sign)は陽性でした。

ただし、頸椎の異常も併存しています。頸椎からのしびれと、手首の手根管でのしびれが重なっている状態です。

こういったケースは珍しくありません。

頸椎に異常があると、そちらばかりに目が向きます。

しかし末梢の問題が同時に起きていることがあります。画像診断だけでは見分けがつきにくい。

丁寧に触診・検査して、どちらがどの程度関与しているかを見極める必要があります。

経過① 手のしびれ

まず手根管症候群に対して施術を行いました。得意です。

数回の治療で、夜もぐっすり眠れるようになりました。たいへん喜ばれました。

大学病院にご報告されたところ、「症状がいろいろ重なっているので、なんとも言えない」とのことでした。

頸椎の問題も残っていますが、手根管への治療が夜間のしびれに大きく効いたと判断しています。

経過② 膝関節炎

次に取り組んだのは、膝です。

何回目かの治療時に膝が凄く痛いと訴えられました。診たら水が溜まっています。水は抜きたくないそうです。

数年前から右膝に違和感が続いています。

右股関節を人工関節に置換されているため、膝への負担が増しているようです。以前に水を一度抜いたこともあるそうです。

症状は膝だけではありません。太ももから膝裏にかけての痛みもあります。

腰椎すべり症による神経への影響が、この痛みに関与していると思われます。膝の炎症と腰からの症状が重なっている状態です。

2回の施術で膝の水は消失しました。

ただし腫れはまだ残っています。腰椎への治療も並行して行いながら、症状の整理を続けています。

多彩な症状でも、原因は一つひとつある

このような方は少なくありません。

複数の診断名がついていて、どれが本当の原因かわからなくなっている。そういう状態で来院される方が多いです。

大切なのは、症状を丁寧に振り分けることです。

「頸椎があるから手のしびれは頸椎のせい」とは限りません。「膝が痛いから膝だけの問題」でもありません。一つひとつ確かめながら、本当の原因を突き止めます。

膝と腰は密接な関係です。卵とニワトリの関係です。どちらが悪くても両方治療しないと改善しません。

10回を超えて、全体的に症状が安定してきました。

複数の症状を長年抱えていても、あきらめないでください。一つひとつ、解いていくことができます。ご相談をお待ちしています。

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この記事を書いた人

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村坂 克之

小又接骨院・鍼灸院の院長です。鍼師、灸師、柔道整復師の国家資格にて治療を行っています。屋号の小又(こまた)は、先祖の小谷屋亦治郎(亦=又)に由来します。PC文字入力は親指シフト(orz配列)ユーザー。
詳しくは院長略歴をご覧下さい。