結果を出す手技療法

鍼治療を重ね表情が豊かになった80代女性

昨年より、月に1回のペースでご家族が連れて来院されています。もうすぐ10回目です。

生まれ持った病気から、加齢による既往症は山のようにあります。

一番ご家族が心配している、仮面様の表情が豊かになりました。当然、精神科のお薬は飲まれています。

鍼灸がうつ病に効果のあるエビデンス(証拠)もありますから、月1回でも続けて良かったです。

鍼灸治療がうつ病に効果があるというエビデンス

厚生労働省のeJIMによる系統的レビューでは、電気鍼(EA)治療または電気鍼治療と抗うつ剤の併用が、抗うつ剤単独治療と比較して有意にうつ病を改善したことが示されています。この結果は、鍼灸治療がうつ病の症状緩和に効果的である可能性を示唆しています。

また、鍼灸治療は中等度以上のうつ病やうつ症状に対して効果的であり、その効果は年代や性別、疾患の種類などによる大きな違いはないとされています。治療の目安としては、1週間に1回程度の治療を10回程度(3週間以上)受けることが推奨されています。

鍼灸治療のメカニズムについては、以下のような作用が提案されています:

  1. 脳内の神経伝達物質(セロトニンやノルアドレナリンなど)の調整
  2. 自律神経系のバランス改善
  3. ストレス応答の軽減
  4. 血液循環の促進による脳機能の改善

さらに、うつ病患者の3割以上が抗うつ剤のみでは改善が見られないことが明らかになっており、鍼灸治療は標準治療との併用に期待されています。

これらのエビデンスは、鍼灸治療がうつ病の症状改善に寄与する可能性を示唆していますが、個人差があることや、適切な診断と治療計画の重要性も指摘されています。したがって、うつ病の治療に鍼灸を取り入れる際は、経験豊富な鍼灸師や医師との相談が推奨されます。

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村坂 克之

小又接骨院・鍼灸院の院長です。鍼師、灸師、柔道整復師の国家資格にて治療を行っています。屋号の小又(こまた)は、先祖の小谷屋亦治郎(亦=又)に由来します。親指シフトユーザー。
詳しくは院長略歴をご覧下さい。